濃厚とスッキリ! 栗の風味が2層で楽しめる『渋皮煮のプリン』 栗加工店が取り組む地域活性化とは | ラジトピ ラジオ関西トピックス

濃厚とスッキリ! 栗の風味が2層で楽しめる『渋皮煮のプリン』 栗加工店が取り組む地域活性化とは

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 各自治体には、地域らしさと新しさを兼ね備えた特産品が多くあります。そういった地産品を、兵庫県では「五つ星ひょうご」として選定し全国に発信する取り組みをおこなっています。最新年選定品の一つに選ばれたのが、栗の加工販売店が作る『渋皮煮のプリン』です。

 プリンに使われているのは、兵庫県産の牛乳や卵のほか、播磨の栗加工販売店「くりすチェスナッツ」の冨田朋子さんが作る渋皮煮です。兵庫県産や国産の栗を使った渋皮煮は、一から手作りで3日間かけて作られます。

一から手作りで3日かけて作られる渋皮煮
一から手作りで3日かけて作られる渋皮煮

 まず一番外側の硬い「鬼皮」と言われる部分をむき、次に渋皮付きの栗を、炭酸を溶かしたお湯で煮ます。その後、柔らかくなった渋皮の筋や毛羽立ちを丁寧に取り除いたら、炭酸抜き→砂糖を加えて煮る→一晩寝かせて再度煮る、という3つの工程を経て完成します。

 栗に傷がつかないようにすべて手作業で行い、ごく弱火で3日間ほど煮ます。製造過程では、虫食いや傷み、煮崩れたものがないか3回ほど丁寧に確認し選別。時間と手間をかけるからこそ、おいしい渋皮煮ができあがります。

ごく弱火で3日間コトコト煮てようやく渋皮煮が完成(提供:くりすチェスナッツ)
ごく弱火で3日間コトコト煮てようやく渋皮煮が完成(提供:くりすチェスナッツ)

 その渋皮煮をペーストにしてプリン液と合わせ、裏ごしすることで滑らかな食感に。低温でじっくりと蒸し焼きにします。2層に分かれたプリンは、下段に渋皮煮のペーストが沈んでより濃厚な味わいに。栗の風味を活かすため、あえてカラメルソースなどは入れないといいます。

「渋皮煮は手間がかかりますが、栗の風味や香りが引き立ちます。また、甘露煮やマロングラッセなどに比べると砂糖の量が少ないため、あっさりとしているのも特徴のひとつです。」と冨田さん。

偶然から生まれた2層のプリン。下段はより濃厚な渋皮煮の風味を感じることができる(提供:くりすチェスナッツ)
偶然から生まれた2層のプリン。下段はより濃厚な渋皮煮の風味を感じることができる(提供:くりすチェスナッツ)

 同商品が生まれたのは、渋皮煮を作る過程でつぶれてしまう栗が多くあり、これを何かに使えないかと考えたことがきっかけ。冨田さんはプリンに入れたら珍しくておいしいのではないかと試作を重ねます。はじめは、食感やバランスが良くなかったり、栗の風味がうまく出なかったりと苦労もあったのだそう。

 しかし、試行錯誤する中で偶然にも2層になったプリンが! そこからオリジナルな一品『渋皮煮のプリン』が生まれました。

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