いつでも手軽に食べられるカップ麺。便利なカップ麺を食べるときに注意したいことといえば、「塩分」と答える人も多いでしょう。しかしほかに注意しておきたいこととして、“カップに使われている発泡ポリスチレンが特定の油に弱く、量と温度によっては容器が薄くなり破れてしまうケースがある”という点も挙げられるのだそう。「コープこうべ商品検査センター」の担当者に、詳しく話を聞きました。
――カップ麺で注意したいことというと、やはり塩分でしょうか。
【担当者】 一般的に、カップ麺1個あたりに含まれる食塩は約5グラムです。おいしいスープは飲みたいですし、ご飯を入れておじやのようにして食べたいものの、減塩のためになるべく残すようにしたいですね。
今日ご紹介したいのは、塩分ではなく、インスタント麺の容器について。「カップ麺にお湯を注いで食べようとしたところ、お湯がこぼれてきた」という事例です。
――お問い合わせのあった容器ですが、内側がボロボロになっているといいますか、薄くなっているように見えます。外側からの衝撃で穴があいたわけではないのであれば、どうしてボロボロになっているのでしょうか? お湯を注いだだけでこのようになるものでしょうか?
【担当者】 容器をお預かりしたのちにお湯が漏れてきた際の状況を詳しく聞いたところ、「MCTオイルを入れていた」とのことでした。MCTオイルとは、ココナッツやパームフルーツに由来する成分を含む油のことで、一般的なサラダ油と比べてエネルギーとして分解されやすい性質があるとされています。
このような油を入れてお湯を注ぐと、カップ麺に使用されている発泡ポリスチレン製の容器は変形して薄くなり、薄くなったところから破れてしまうことがあるんです。
――MCTオイルなど、健康に良いとされる油を料理に入れる方もいらっしゃいますが、容器の変形につながることがあるんですね。MCTオイル以外に、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
【担当者】 容器の変形につながることがわかっている油は、MCTオイル、えごま油、アマニ油、しそ油、ココナッツオイル、そしてDHA・EPAといわれるフィッシュオイルです。
カップ麺の容器は、多くが発泡ポリスチレン製ですから注意が必要です。容器の側面や底に「PSP」または「PS」と表示されています。ただ、「プラ」とだけ表示されているものもあるため注意してください。