暦の上では冬が始まる「立冬」の11月7日、京都の冬の味覚「千枚漬」の漬け込みが本格化した。
創業122年・京漬物の老舗「大安(だいやす)」本店に併設された工房(京都市東山区)で、熟練職人による作業が報道関係者に公開された。
千枚漬は、直径20センチ、重さ約2キロの京野菜「聖護院(しょうごいん)かぶら」を使用。法被姿の職人たちは「シュッ、シュッ」という音を響かせながら、かんなで薄く2.6ミリに削り、次々と樽に敷き詰める。
10月下旬から漬け込みを始め、一部が機械化されている工程を職人の手で行う様子は、すっかり冬の風物詩になった。
大安の千枚漬は、塩で3日間漬け込む「下漬け」の後、北海道産の昆布や秘伝の天然調味料で風味を加え、さらに2日間置く「上漬け」をする。