1960年代後半のグループサウンズブームで大阪のNo.1バンドとして一世風靡した「ザ・リンド&リンダース」。今年結成60周年を記念して再結成することになったのですが、ボーカルの故・加賀テツヤさんに薫陶を受けたシンガーソングライター・音楽評論家の中将タカノリが、このたびメンバーとして参加することになりました。その経緯や「ザ・リンド&リンダース」の経歴について、中将が自身のラジオ番組で、同じくMCを務める橋本菜津美(シンガーソングライター・インフルエンサー)と語り合いました。
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【中将タカノリ(以下「中将」)】 3月29日に「ザ・リンド&リンダース」が結成60周年を記念して再結成コンサートを開催します。オリジナルメンバーの宇野山和夫さん(Ba)、榊テルオさん(Vo)、堀こうじさん(Gt)さんとともに、僕もボーカルとして参加することになってしまいました。
【橋本菜津美(以下「橋本」)】 おめでとうございます。どんな経緯があったんでしょうか?
【中将】 2013年にも加賀テツヤさんの七回忌で「ザ・リンド&リンダース ラストステージ」というのをやりました。それが最後だと思っていたんですが、昨年(2024年)サンテレビでやった僕の40歳記念番組に3人でご出演いただくことに。みなさん80歳近いし「これがいよいよ最後のご奉公かなぁ……」と思っていたんですが、やる気に火をつけてしまったのか再結成に至ったという流れです。
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今年でちょうど結成60周年。リンドは1970年の大阪万博にも出演しているので、どうせなら大阪・関西万博のステージにも立てないだろうか……という具合に話が膨らんできたんですね。僕が参加することは宇野山さんが提案してくれました。緊張しますが、これでまたお世話になった加賀さんへの恩返しができるかなとうれしく受け止めています。
【橋本】 なんと胸熱……!
【中将】 というわけで今回の放送では「ザ・リンド&リンダース」の歴史を振り返っていきたいと思います。1965年7月にターゲットプロという事務所の呼びかけで結成されたグループで、沢田研二さんらザ・タイガース(当時ファニーズ)と深い交流がありました。レコードデビューは1967年2月の『ギター子守歌』。グループサウンズなのになぜか子守歌!
【橋本】 すごくしっとりしてるけど眠りにも向いてないような……(笑)。なんでこういうテイストの曲でデビューしたんでしょうか?
【中将】 そうですね、リンドは「関西にもエレキバンドを」というコンセプトで結成されたバンドだったので、デビュー当初は他のバンドみたいにいかにもグループサウンズ的な売り方ではなかったんですね。リードボーカルの加賀テツヤさんを前面に押し出した、歌謡曲的な売り方だった。
【橋本】 なるほどです。たしかにジャケットに写ってるのも加賀さんおひとりだけ。「唄 加賀テツヤ」で演奏を「ザ・リンド」がしているというような書き方ですね。
【中将】 演奏部門が「ザ・リンド」、歌部門が「リンダース」ということなんですね。ボーカルも加賀さん含め複数人いました。
【橋本】 それが合わさって「ザ・リンド&リンダース」なんですね!