「東南アジアでアジフライが好まれる」「中国では丸ごと一匹の魚が人気」卸売業者が語る海外の魚事情 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「東南アジアでアジフライが好まれる」「中国では丸ごと一匹の魚が人気」卸売業者が語る海外の魚事情

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 日本食ブームのなかで日本の魚介類は世界各地で人気を集め、日本産水産物の需要は拡大しているという。そのなかで、神戸で水産物を取り扱う新進気鋭の企業が、日本国内だけでなく、世界を相手に奮闘している。その現状と、世界での水産物のトレンドなどを、担当者に聞いた。

 神戸市中央区の株式会社エスビートレード。同社の代表取締役・井上裕輔さんは、もともと水産商社で働いていたが、「自分でできる幅を広げたい」と独立。創業6期目とまだ若い会社では、水産物の輸出入、加工、販売を行っている。

 昔は生で魚を食するということが少なかった海外の人が、日本食ブームにより生魚の抵抗が少なくなってきている。そのため、日本産のノドグロやクエ、イサキといった高級魚がその価値を認められてよく売れているという。

仕入れの様子(提供:株式会社エスビートレード)
仕入れの様子(提供:株式会社エスビートレード)

「国産アジはこれまでほとんどが日本国内で消費されていたが、最近では東南アジア中心に認知され、アジフライが販売されるようになっている」というのは、同社取締役の工咲恵さん。「他にも、これまでは日本でしか食べられていないような魚が海外に広がっていくということが増えるのでは」と予想する。

株式会社エスビートレード(神戸市中央区)、取締役の工咲恵さん
株式会社エスビートレード取締役の工咲恵さん

 近年、潮の流れや海水温など環境の変化により、日本近海で捕れる魚の種類が変わってきている。工さんは常にこうした変化に目を光らせ、魚を追いかけて日本に限らず海外にも足を運ぶ。

 日本では魚離れが進み、スーパーなどでは頭が取ってあるものや骨が取り除かれているなど加工度の高い魚が好まれる。ただ、中国などでは鮮魚で食べる魚に価値があると思われており、頭から尻尾までついた丸ごと1匹の魚が受け入れられやすいのだそう。また、東南アジアでは頭がついたままで大きく見える方が売れやすいという。これは、頭を切ってそのまま鍋に入れて食べるという料理もあるためで、頭がついていた方が好まれるようだ。

 ちなみに、東南アジアでは甘じょっぱい味が好まれる傾向にあり、日本の煮付けは親しみやすく、かなり浸透しているという。

 何か1つの魚種の取扱量で日本一、世界一を取りたいと意気込む工さん。「世界中のより多くの人の手に魚を届けていきたい」と話していた。

※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より

株式会社エスビートレード(神戸市中央区)、取締役の工咲恵さん(写真右)とラジオ関西パーソナリティの三上公也氏
株式会社エスビートレード取締役の工咲恵さん(右)と、ラジオ関西パーソナリティーの三上公也氏
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