瀬戸内海に春を告げる、イカナゴのシンコ(稚魚)漁が12日、播磨灘(兵庫県南西部)で解禁された。
明石市の初競りでは1籠(約25キロ)20万円を超える史上最高値が付いた。
兵庫県水産技術センターによると、シンコの産卵量は非常に低水準だった昨年をさらに下回り、稚魚の分布量も昨年より減少している。
このため今年も、播磨灘、大阪湾、紀伊水道の3つの海域ともほぼ漁獲が見込まれないという。
不漁予測は2017年以降、9年連続。播磨灘では昨年3月11日にシンコ漁が解禁されたが、1日で終漁となった。
大阪湾では今季も、昨年(2024年)に続いて自主的に休漁という非常事態に陥っている。
この日、林崎漁港(同県明石市)の初競りでは、1籠(約25キロ)あたり20万666円という史上最高値が付いた。
兵庫県によると、シンコの漁獲量は2016年までは1万トンを超えていた。
しかし、2017年に前年比1割以下の1001トンに急減。以降、2020年は過去最少の142トン、2021年は1467トン、2022年は少し持ち直して1665トン、2023年は1209トン、2024年は25トンにとどまっている。