アサヒグループジャパン(本社・東京都墨田区)と日本国際博覧会協会は12日、大阪・関西万博(4月13日開幕〜10月13日 184日間)会場の中央部に設けた緑地帯『静けさの森』の概要を公表した。


『静けさの森』は、8人のプロデューサー(※)が主導する「シグネチャーパビリオン(テーマ館)」と一体となって、大阪・関西万博のメインテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」について問いかけるインスタレーション(空間芸術)。世界で活躍するアーティスト5人の作品が並ぶ。

万博では歴史的に、エッフェル塔や太陽の塔といった人工の建造物を象徴としてきた。
大阪・関西万博では日本の生態系のベースとなる「森」を会場に招き入れ、自然との共生や未来とのつながりを考える。
このうち、「Better Co-Being」というパビリオンをプロデュースする宮田裕章教授は、静けさの森とリンクして未来の価値観を表現する。


壁や天井は作らず、格子状の鉄骨で覆われているのが特徴。宮田教授は「季節や天候で異なった表情を見せる森とアート作品のコラボレーションを通じて、自然や文化、人間のつながりを感じてほしい」と話した。

宮田教授は、「経済中心という概念が目的化した現代、いのちが輝く未来とは何なのかを考えるのが大阪・関西万博の意義であり、生きがいを支える文化や、地方も含めたスマートシティのあり方、1人ひとりがその人らしく生きるという概念を考える」と訴える。