生まれも育ちも神戸市中央区でサブカル郷土史家の佐々木孝昌(神戸史談会、神戸史学会・会員)が、北区出身で落語家の桂天吾と、神戸のあれこれについてポッドキャストで語る『神戸放談』連載シリーズ。今回のテーマは「神戸のお土産」です。
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地方へ行く時など、手土産にする神戸名物といえば何だろうか。いつも悩むのだが、僕の場合は、明治初期からの神戸名物「瓦せんべい」である。主に、元祖である神戸元町の「亀井堂総本店」(1873年創業)の瓦せんべいを持って行く。

商品名を聞くとその街が思い浮かぶものとしては、例えば、長崎ならカステラ、大阪なら粟おこし、京都なら八ツ橋などがあるだろう。これらは、複数の店が作っている同一商品で、代表的銘菓・名物になっている。そういった意味では、神戸なら瓦せんべいである。

しかし、近年は銘菓も多種多様化しているし、ジェネレーションギャップもあり、瓦せんべいと言ってもイコール神戸にはならないかもしれない。大阪の粟おこしなども然り。
僕の配偶者には、古臭いと言われる始末……。
地元である神戸市北区出身で、現在28歳の落語家・桂天吾君は「瓦せんべいですかぁ?」と、神戸名物としていまいちピンと来ていないではないか。
では、天吾君は神戸名物として何を手土産に持って行くのかを聞くと、例えば、「伍魚福」のいかなごのくぎ煮。食べ切れる量で日持ちもするからと。確かに、神戸らしさがある。






