『神戸とお好み焼き』(三宅正弘・著/神戸新聞総合出版センター)によると、元々、大阪も戦前は「のせ型」が主流だったようだが、今では効率的な、生地とキャベツを混ぜる「混ぜ型」がほとんど。
ちなみに、僕の母も生粋の神戸っ子(81歳)だが、母の作るお好み焼きも「のせ型」で、マヨネーズはかけない。

余談だが、神戸では、お好み焼き店で食べるのは「そば焼き」。中華料理店で食べるのは「焼きそば」と言う。
お好み焼き店では、「豚焼」「すじ焼」「モダン焼」など「焼」が後に来る。中華料理店では、「焼きビーフン」「焼き餃子」「焼き飯」など「焼」が先に来る。理にかなっているではないか。
お好み焼き店ではないが、2017年に閉店した新開地の大衆食堂「トシヤ」では、1953年頃からメニューにあった「そば焼き」が名物だった。僕も、30年近く食べ続けた大好物。デミソースを思わせる、すき焼きの割り下とウスターソースで炒めた真っ黒な日本そばは絶品だった。

もちろん北区にだって、お好み焼き店はある。北区出身の落語家・桂天吾君が好きなお店は、神鉄・西鈴蘭台駅近くにある「味万」だとか。大阪在住の“神戸っ子”天吾君、マヨネーズは……?
(文=サブカル郷土史家 佐々木孝昌)
※ラジオ関西Podcast『神戸放談』#5「神戸のお好み焼き屋にはマヨネーズが置いてない!?」より




