外来・入院・訪問診療・介護と幅広く連携する「地域包括ケア」。昨今、我々の生活において重視されつつある仕組みです。「住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる医療」をモットーに、この仕組みをいち早く導入してきた医院に話を聞きました。
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地域医療の最前線で人々を支え続けるのは「医療法人社団 石橋内科」(兵庫県姫路市)。60年続く同院の2代目理事長・石橋悦次さんはこれまでの動きを次のように語ります。
「在宅医療への取り組みは、介護保険制度導入前からスタートしており、当時から『ご飯さえ出してくれたら退院できる』という患者様の声を受け、自宅療養への支援体制を築いてきました。訪問看護ステーションを姫路市で先駆けて設立し、医療と介護の切れ目ないサービスを目指しています」(石橋さん)

こうした活動は、コロナ禍において真価を発揮。石橋さんが医師会会長を務める中で、姫路市は全国に先駆けてドライブスルー検査や迅速なワクチン接種体制を構築。「市民の命が守られたのは、地域医療の積み重ねがあったから」とパーソナリティの清元秀泰姫路市長は述べました。

石橋内科の理念は「患者様の求める手作りの医療」。制度の隙間にこそ個別対応が求められると考え、17年間継続してきた「患者満足度大会」では、満足度の高い職員を表彰し、モチベーション向上と医療の質の両立を実現しています。
他にも、職員が顧客満足度を念頭に仕事に取り組む中で患者と関わり気づいたことや、心に残った経験を文章に起こした「神話」に込め、日頃の想いを発表する「神話発表会」も開催。このようなイベントは、職員が理念を改めて意識する機会にもなっています。
