昭和歌謡、昭和ポップスにスポットライトを当てたラジオ番組『中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス』(ラジオ関西)が、昭和時代の同棲ブームを描いた楽曲を特集。
当時、流行した楽曲を聴きながら、若者たちの間で起こった同棲ブームについて、番組パーソナリティーの中将タカノリさん(シンガーソングライター、音楽評論家)と橋本菜津美さん(シンガーソングライター、インフルエンサー)が語り合いました。

2022年の『ゼクシィ』(リクルート)のアンケートによると、結婚した人、結婚の予定があるカップルの62.3%が「同棲した・する予定」と回答。もはや同棲は当たり前の世の中ですが、そういった感覚が世間に芽生え始めたのが1970年代前半だそう。就職や進学で地方から若者が都会に集まり始めた時代に、地域のコミュニティーから切り離され、寂しさを抱えた若い男女が暮らしをともにするのは、ごくごく自然な成り行きだったようです。
番組が1曲目にオンエアしたのは、あがた森魚さんの『赤色エレジー』(1972年)。
この「赤色エレジー」はもともと、林静一さんが漫画雑誌『ガロ』に1970年1月号から1971年1月号まで連載した劇画。漫画家を目指す青年・一郎と、彼を支える恋人・幸子の悩み深い同棲生活を描いたストーリーで、これをモチーフに、あがた森魚さんが書いたのが同曲です。
同棲経験のない中将さん、橋本さんにとって、当時の四畳半的な貧しさの中での同居はあまり魅力的に映らないそう。
「2、3日ならギリギリ。それ以上はいくつか部屋がないと同居は無理」と、中将さん。
橋本さんは以前、お笑い芸人の兄・橋本大祐さん(ホテル、橋本兄妹)から「俺、お前とやったら同棲できると思うわ」と上京・同居を打診されたことがあったそうですが、気持ち悪く感じて丁重に断ったと明かしていました。
2曲目は、大信田礼子さんの『同棲時代』(1973年)。
当時、同棲する男女はすでに増加していましたが、それがカルチャーとして認識されるきっかけになったのは上村一夫さんの漫画『同棲時代』。赤色エレジーによく似たストーリーですがメディアミックスされ、梶芽衣子さん・沢田研二さん主演のドラマや、由美かおるさん主演の映画に。若者たちの間で大きな人気を博しました。
3曲目は、かぐや姫の『神田川』。(1973年)。
フォークブームの代表的ヒットとして知られるこの曲も、同棲ブームを背景にしたものでした。狭いアパートでの暮らしや真冬の寒い銭湯通いを描いたこのストーリーは作詞を手がけた喜多條忠さんが、早稲田大学在学中に恋人と神田川近くのアパートで暮らした自身の思い出をモチーフにしたもの。当初はアルバム『かぐや姫さあど』(1973年)の収録曲でしたが、こうせつさんがDJを担当していた深夜ラジオ番組『パックインミュージック』(TBS)で紹介したところ大反響。シングル化されオリコン・ウイークリーランキング1位を記録するヒット曲になりました。





