兵庫県芦屋市や神戸市などで撮影された映画監督・河瀬直美氏の最新作『たしかにあった幻』が、2月6日から全国で上映されている。
『たしかにあった幻』は、フランスから来日した医師・コリー(ヴィッキー・クリープス)が、神戸の病院で臓器移植のエキスパートとして、小児移植医療に尽力。しかし、日本では移植医療が批判されることもあり、死生観や倫理観の違いに葛藤する姿を描く。
コリーの心の支えは、屋久島で運命的に出会った迅(寛一郎)だったが、彼は突然、姿を消してしまう。一年後、迅が失踪するはるか前に彼の家族からも捜索願が出されていたことを知る。一方、心臓疾患を抱えながら入院していた少女の病状が急変する・・・
キャストにはこのほか、河瀬監督作品の常連・尾野真千子、永瀬正敏、北村一輝、小島聖、岡本玲、中嶋朋子ら。

大阪・関西万博でプロデューサーの1人だった河瀬監督。自身がプロデュースしたシグネチャーパビリオン「Dialogue Theater 〜いのちのあかし〜」の準備と並行し、万博開幕前年の2024年に芦屋、神戸、屋久島、フランスなどで撮影した。
日本の臓器移植の現状と年間8万人を数える失踪問題。日本では失踪から7年経過すると、家族が失踪宣告すれば死亡したと見なされる。また、脳死したドナーからの臓器移植は提供者本人の意思が不明のため家族が判断する。この2つに共通するのは、日本の制度上、「家族が本人の生死を決定する」という点。日常では見過ごされがちな問題を、リアリティのあるストーリーを通じて人々の心に届け、「生」の意味を考える。






