いい商品を作っていても、どうやって買ってもらえばいいのか分からない――。そんな地域の生産者や食品事業者を支える取り組みが、この秋から始まる。
大阪市中央区のジャパン・トレジャー・ギルドが進めるもので、まずは農家や食品を作る会社など、食に関わる事業者を対象にスタート。SNSや動画を使って商品の特徴や背景を伝え、ライブ配信を通じて消費者に紹介していく。
特徴は、商品を売って終わりにしないこと。どんな伝え方をすると反応があったのか、どの商品が受け入れられたのかといった販売の経験を参加者同士で共有し、次の商品を売るときにも生かすという。
背景には、生産者が抱える「いいものを作っても、売り方が分からない」という課題がある。

取り組みを始める町田透さんは、20年以上にわたって食肉卸や飲食業に携わってきた。その中で、こだわりを持って商品を作りながら、十分に知られないまま事業を続けられなくなる生産者を見てきたと語る。
「いいものを作っているけれど、人手が足りない。家族で続けてきたけれど、父母世代の引退をきっかけにやめざるを得ない」。そうした生産者が持つ技術や食文化を残していくには、商品を作るだけでなく、必要な人に届ける方法も考える必要があると感じたことが、取り組みを始めるきっかけになった。

町田さんはこれまで、SNSを使った事業者の情報発信にも取り組んできた。そこで得た経験を農業や食品加工などにも生かし、事業者がそれぞれ抱える課題や販売の経験を共有できる場を作ろうとしている。
例えば、淡路島の有機玉ねぎ農家では、商品の特徴を伝える相手や販売する場所をどう選ぶかが課題になった。商品そのものだけでなく、どのように作られているのか、なぜその商品を作っているのかといった背景まで伝えることで、必要としている人に届ける方法を考えた。
今回の取り組みでは、こうした経験を一つの事業者だけにとどめず、参加者同士で共有することで、次の販売につなげていくことを目指していく。

まずは食に関わる事業者10件程度からスタートする予定。地域で作られながら、まだ広く知られていない商品をどう届けていくのか。SNSや動画を使った新たな販売方法の活用が、地域の生産者を支える一つの方法になるか注目される。

ジャパントレジャーギルド
https://japantreasureguild.jp/





