昼は気温が上がり、朝晩は冷え込む秋。あるいは、その逆の春。自動販売機の前でヤキモキした経験が誰にもあるはずだ。「キリッと冷えたコーヒーが飲みたいのに」「あったかいお茶がない」……。自販機のラインナップはいつ、どのような基準で変わるのだろうか。
■基準は「気温25度」。ただし…
全国清涼飲料連合会に取材をすると、「気温やニーズが地域ごとに違うので統一の基準はありません。飲料メーカーがそれぞれ決めてオペレーターに指示を出します」としたうえで、「ホット飲料が並びだすのはだいたい10月で、消え始めるのはだいたい5月上旬のゴールデンウィーク。ホット飲料の扱いが増減するのは気温25度が基準です」とのこと。飲料大手・ダイドードリンコにも聞いたが、「気温に応じてオペレーターに指示を出します」と同様の答えが返ってきた。
ただし、空調がしっかりしているオフィスの中やドライバーが多く利用するサービスエリアなどでは、1年を通して自販機にホット飲料があるそうで、一概には言えないようだ。ちなみに、気象庁と飲料業界とのワーキンググループがあり、地球温暖化の影響でホットの飲料が自販機に並ぶ時期が遅れていることが課題になっているという。
■ホットとコールド、両方楽しめるのは日本だけ!
そもそも、ホットとコールドが両方楽しめるのは日本特有の文化で、ホットとコールド兼用の自動販売機は1970年代に登場した。現在のポッカサッポロフード&ビバレッジとサンデン・リテールシステムの2社が共同開発したもので、1台の自販機で温かい飲みものと冷たいものが同時に販売できる。ちなみに、現在ではコールド用缶飲料は、通常5℃前後に冷却、ホット用缶飲料は55℃前後に温められて販売されている。また、日本は治安が良いため屋外に自販機があるのが当たり前だが、欧米では珍しいこと。先人の努力のおかげで、私たちが恩恵を受けているというわけだ。
※ラジオ関西『PUSH!』2020年10月15日放送回より
■ラジオ関西『PUSH!』10/15(水)自動販売機特集
・放送(radiko)はこちら!(聴取期限は10/22 木 4:59まで!)
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