例年ならば、全国の神社・仏閣で各界のスターが裃(かみしも)姿で高段から豆をまく冬の風物詩、節分。
観音霊場・安産祈願の寺院として知られる宝塚市の真言宗大本山・中山寺で2日、恒例の「星祭節分会(ほしまつり・せつぶんえ)」が開かれたが、華やかなタカラジェンヌの姿はなかった。毎年本堂の前に高さ5メートル以上のやぐらを組み、タカラジェンヌが福豆に福を授かろうと多くの参拝客で賑わう。今年は参拝者への福豆は1万2000セットの数量限定で用意され、豆まきではなく、僧侶が手渡しで授与した。
大阪市内から訪れた20代の夫婦。中山寺に安産祈願を兼ねて節分会に。「5か月です。元気な赤ちゃんが生まれますようにと祈願しました。コロナ禍で毎日神経質になりがちで、もうすぐ産休に入りますが、夫は絶対に(コロナに)ならない、うつさないように徹底しています。緊急事態宣言、長引けば長引くほど『慣れ』が出てしまうので、今回の延長は、気を引き締める意味で大事だと思います」と話した。
また、母娘2代で大の宝塚歌劇ファンという神戸市灘区の30代と70代の女性は「タカラジェンヌの方々が来られないのは残念ですが、本来の節分の厳かさを体感しました。目頭が熱くなるというか……まだまだ我慢の日々が続くかもしれませんが、来年はジェンヌさんたちのきらびやかな姿を見たいです」と期待を寄せた。
例年行われるタカラジェンヌによる豆まきは宝塚大劇場にほど近い中山寺ならでは。また古くから伝わる鬼を払う(追儺=ついな)儀式「鬼やらい」は、音楽を交えた現代風にアレンジしたものタカラジェンヌが寸劇仕立てで演じるなど、毎年多くの参拝者でにぎわうが、ことしは僧侶が観音菩薩の化身となり鬼を諭した。