岡山・美作のお茶は、室町時代の諸国物産の書に「お茶は武蔵、山城、美作の産物なり」と書かれているほど、歴史は古い。その地でお茶づくりを営むのが、美作市海田にある「海田園黒坂製茶」(かいたえん・くろさかせいちゃ)。「お茶と真っすぐに向き合い、自分が納得できる、本当においしいお茶を届けたい」という思いのもと、こだわりのお茶を美作から全国に向け発信している。
海田園黒坂製茶では、お茶をいかした新たな商品作りにも励み、好評だ。その1つが、パスタソースの「茶ノベーゼ」。お茶を飲むことだけでなく、食べることでカテキンを丸ごと摂取できるのが特長。パスタだけでなく温野菜やバケットなどにもいかせる。またマヨネーズやクリームチーズを混ぜて自分好みにアレンジするのもおすすめとのこと。お茶を使った六次化商品で、「お茶に興味を持ってもらい、全国に岡山のお茶処『美作海田』を知ってほしい」と開発したそうだ。「フード・アクション・ニッポン アワード2018」を受賞している人気商品でもある。
また、同社の「ゆず緑茶」も、自慢の逸品。茶畑のなかで少しだけ栽培していたユズをお茶に利用できないかと、ユズの皮を乾燥させ、お茶とブレンドして試作したところ、ユズの香りとすっきりとした風味に驚き、開発に至ったという。これから暑くなる季節には、水出しがおすすめとのこと。透明感のある色目はグラスに注ぐと清涼感抜群で、ほのかなユズの香りが、乾いた喉を爽やかに潤す。
湯郷温泉近辺では、地域が一体となってすすめる農業体験ツアーが始まっている。海田園黒坂製茶では、茶畑での野点体験、その他では、まき割体験・野菜収穫体験・雲海独り占めなど、趣向を凝らした企画があるようだ。美作のお茶、そして、美作の魅力に、この機会に触れておきたい。
※ラジオ関⻄『Playlist of Harborland』2021年3⽉4⽇放送回「岡山県北 ハッスル情報」より
【海田園黒坂製茶 HP】