聴覚障がい者が抱える不安「どうすれば社会参加しやすくなる?」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

聴覚障がい者が抱える不安「どうすれば社会参加しやすくなる?」

LINEで送る

この記事の写真を見る(4枚)

 2018年『R-1ぐらんぷり』(現『R-1グランプリ』)王者で、「ひょうごユニバーサル大使」を務める“盲目の漫談家”濱田祐太郎が、「ユニバーサル社会」について考えるラジオ番組【濱田祐太郎のひょうごユニバーサル通信】(ラジオ関西『PUSH!』内)に出演。「聴覚に障がいがある方の社会参加」をテーマに、兵庫県ユニバーサル推進課の兵庫県設置手話通訳者・楠圭子さんとともに話を進めた。

《※「ユニバーサル社会」とは、年齢・性別・障がいの有無や、言語・文化などの違いに関わりなく、すべての人が地域社会の一員として尊重される社会のこと》

【写真:「濱田祐太郎のひょうごユニバーサル通信」生放送の様子】
濱田祐太郎さん

◆「聞こえないことで困る出来事」とは

 手話通訳者は通常、依頼により派遣される形が多いというが、「設置通訳者」とは、県庁、市役所、区役所などに勤める手話通訳者のこと。その仕事の1つは、県主催のイベントや、新型コロナウイルス感染症に関する知事会見で実際に行っている手話通訳。もう1つは、行政や教育・医療に関わる県職員に対して、聴覚障害や手話についての研修の講師を担当している。

 また、昨年から県のユニバーサル推進課では、お昼休み終了後の5分間程度、職員が簡単な手話を学ぶ機会を設け、楠さんによる、少しずつ上達しているという。濱田さんも「いいですね、そういう取組あるんですね」と感心していた。

 本題の聴覚障がいについて目を向けると、「聞こえないことで困る出来事がある」と、楠さんはいう。

「聴覚は自分の意志でとめられないため、自動的にあらゆる方向の音や声が入ってきます。それにより、周りの様子を知り、素早く判断して行動できますが、耳が聞こえないと、それができないので、次にどうすればいいかの判断や身を守るための行動が遅れてしまうんです。つまり、非常に無防備な状態で生活しているわけです。だから、突発的な出来事や災害が起こったときが一番困難な場面です」

 例としてあげたのは、阪神・淡路大震災で起こった出来事だ。「震災が起こったのは、早朝で、まだ、あたりは暗く、周りの状況が見えません。『避難してください』という声や、家がミシミシする音もあったと思いますが、それも聞こえないため、夜が明けて見えるようになるまで半壊の家で過ごしたという話を聞きました」。

 避難所でも、お知らせのほとんどが「放送」なので、聴覚障がいにとっては難しい状況になってしまうことも。「耳が聞こえないと放送が聞こえないので、みんなが走っていく様子を見て、何かわからないけどついて行ってみたら、お弁当の配布だとわかった。でも、自分の順番が来たときにはちょうどなくなってしまったというようなことが何度もありました」。


『濱田祐太郎のひょうごユニバーサル通信』2021年4月20日放送回

 

 

 

関連記事