神戸・須磨寺の門前町にある和菓子店「神戸天ペロ」。2008年、もともとは、かりんとう饅頭(まんじゅう)の専門店としてオープンしたなか、現在は須磨寺地域の新たな名物を送り出す店として人気を呼んでいる。代表取締役・井上晴雅さんに話を聞いた。
「店名の天ペロは、てんぷらの語源ともいわれるポルトガル語の“tempero”(テンペロ)から来ています。もともと私は和食の料理人をしていて、いつか居酒屋を開店したいなと考えていたんです。この場所は、以前は父の電気屋のテナントだったのですが不要になり、知り合いが饅頭屋を始めました。その店が5年で閉まることになって声がかかりまして、これもご縁かなと思い30歳のときに和菓子屋を始めました。この地域の新名物を作りたいと考え、揚げ物が好きだったので、『かりんとう饅頭』にいきつきました」
外はかりっと、中はやわらかい、かりんとう饅頭。同店では、あずき(こしあん)・鳴門金時芋あんの2種類を取り扱う。奥が深く、研究に研究を重ねたそうで、これまでに製作してきたのは、抹茶、栗、桜、かぼちゃ、マスカルポーネチーズ、カスタードなど、10種類以上におよぶという。現在は2種類に絞っているが、「余裕ができたらまた拡充していきたい」(井上さん)。
かりんとう饅頭のほかにも、同店の喫茶コーナーでは、ぜんざい・白玉団子などを取りそろえ、好きな和菓子とドリンクのセットも。夏季にはカキ氷も人気で、果物を使ったこだわりの手づくりシロップの製作には、今の時期から取りかかり、忙しさも増すよう。
須磨寺の門前町にあることから、須磨寺の参拝客が多く訪れるが、コロナ禍で参拝のお客さんも減少。そのなかで、同店は今、YouTube配信などでも話題となっている神戸・須磨寺の小池陽人副住職とコラボレーションした乳菓饅頭を販売し、注目を集めている。
外側は洋風のクッキー生地、中身は和のあんこと、和と洋が融合した饅頭。その箱の中には、新型コロナウイルス感染症拡大や災害・被害など、日常で心に「しんどい」出来事が続く人々を元気付けようと発信を続ける小池副住職の法話が添えられている。
「読んだ人の気持ちを元気にしてくれると評判で、これまでと全く違う客層のお客さんが来てくれるようになりました。お寺に興味があるけど甘いものは別に……という方も来てくれますし、お寺に興味がないという方にもこれをきっかけに法話を知ってもらえました。ご時世的に、医療関係の方への手土産として使われることも多いです」
※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2022年2月22日放送回より
※神戸天ペロのお店で、「ラジオ関西の放送を聴いたよ」と伝えれば、1000円以上お買い上げの方に、かりんとう饅頭・「しんどい心の処方箋まんじゅう」を1つずつサービス(2022年3月31日まで)
【2022年2月22日放送回…放送音声】