兵庫県神戸市須磨区の板宿(いたやど)西部市場内にある「黒田蒲鉾(かまぼこ)商店」。大正12年(1923年)に始まり、今年9月に創業99年、来年は100年を迎える老舗だ。
この黒田蒲鉾商店で長年人気ナンバー1を誇っているのは、意外にも「コロッケ」。昭和38年から販売されている商品で、名前は「蒲鉾屋さんのコロッケ」。
コロッケと言っても、一般的なひき肉とじゃがいものコロッケではなく、玉ねぎとにんじん、魚のすり身を混ぜて、パン粉をまぶして揚げたものだ。
普段練りものを食べない人には、なかなか馴染みがないかもしれないが、昭和の時代から黒田蒲鉾商店だけでなく、各地で作られている歴史あるコロッケだそう。名称は地方によって様々で、「魚ロッケ(ぎょろっけ)」や「野菜コロッケ」などと呼ばれている。
黒田蒲鉾商店では、一つひとつ手作りにこだわり、野菜は手作業でみじん切りにする。その中でも「玉ねぎ」は兵庫県の淡路島産のものしか使わないという。
淡路島産の玉ねぎは、甘みがまったく違うそう。その甘みが味の決め手にもなるため、他店が北海道産など別地域の玉ねぎを使うなか、どんなに仕入れ値が上がったとしても、淡路島産にこだわっているのだとか。
そのこだわりはお客さんにもしっかり伝わっていて、店舗では1日に200~300個、年末にはおよそ1000個を売り上げる。須磨を離れた人からも、「地元の味が懐かしい」と電話で問い合わせがくるという。
そんな「蒲鉾屋さんのコロッケ」。この5月から、同じ須磨区内にある産直市場「ナナ・ファーム須磨」にも入荷している。2個入りで281円(税込み)。地元の人気店のコロッケとあって、入荷当初から反響は大きいそう。