賞味期限や消費期限に気をつけていても、冷蔵庫の中に使いかけの食品が残っているということはありませんか? 開封後の食品の保存方法や保存期間について、コープこうべ商品検査センターの羽田野達也さんに聞きました。
【羽田野達也さん(以下、羽田野さん)】今回は、開栓後の「そうめんつゆ」についての組合員からの相談事例をご紹介します。めんつゆは、手軽に使用できるので、利用が増えています。
――この夏もお世話になったという方も多いと思います。ストレートタイプだとそのまま使えて、手軽で良いですよね。
【羽田野さん】ストレートタイプのめんつゆを開栓して使用したあと、全部使い切れず残ってしまい、冷蔵庫に残ったままになってしまうこともあると思います。今回ご紹介するのは「開封後に冷蔵庫で保存し、次に使おうとしたら、めんつゆに白いものが浮いていた」という相談事例です。
――写真に白い塊が写ってますね。
【羽田野さん】顕微鏡で確認したところ、カビの菌糸が確認できたことから、カビの塊であることがわかりました。
――瓶の中でカビが生えるって、あまり想像できないですよね。消費者の立場からすると、もともとつゆ自体に問題があったのではないかと思いたくもなりますよね。
【羽田野さん】ですので、相談があった場合は、さまざまな視点から、原因を調査します。まず、製造の時に問題はなかったのかという面から調査を行いました。しかし製造記録に問題はなく、同時期に作られた商品について同様の相談は寄せられていませんでした。
次に問題のめんつゆの使用状況や保存状況を確認したところ、開封時は問題なく使用され開封後も冷蔵庫で保存されていたのですが、その後かなり日にちが経ってから2回目の使用に至っていました。このことから開栓時に空気中のカビの胞子が容器に入り、徐々に増え、カビの塊となったと考えられました。冷蔵庫で保存することで、カビなどの微生物が増えることを抑えることはできますが、保存期間が長いと徐々に微生物が増えることがあります。
また、ストレートタイプのつゆは、塩分が薄く、日持ちしないという特徴があります。賞味期限や消費期限は、開封すると無効になります。残った場合は、必ずフタを閉めて、立てて冷蔵庫で保存し、2~3日以内を目安に使いきっていただければと思います。
――ストレートタイプのめんつゆには、開栓後に注意してほしいことなどについての表示はされているのですか?