自殺直前、30分もの叱責「もうしんどい…」兵庫県警・機動隊員自殺問題 遺族が控訴審でパワハラ裏付ける新事実提出 大阪高裁 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

自殺直前、30分もの叱責「もうしんどい…」兵庫県警・機動隊員自殺問題 遺族が控訴審でパワハラ裏付ける新事実提出 大阪高裁

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 2015年、兵庫県警機動隊に所属していた男性巡査(当時24歳)が自殺したのは、所属していた機動隊で先輩や上司から受けたパワーハラスメントなどが原因だとして、広島市の両親が兵庫県に約8千万円の損害賠償を求めた控訴審の第1回口頭弁論が1日、大阪高裁で開かれた。

大阪高裁
亡くなった木戸大地さん 兵庫県警察学校入校時

 亡くなった巡査・木戸大地さんは広島市内の高校を卒業後、2009年に兵庫県警に採用された。2012年から機動隊で勤務し、2015年7月ごろにうつ病を発症して同年10月に神戸市内の宿舎で首つり自殺した。

 訴状や遺族への取材によると、大地さんは日常的に上司や先輩からの暴言を浴びていたという。具体的には、朝の訓練に参加しなかったとしてスクワットをさせされたり、宴会で裸踊りを強要されたり、「ミス一覧表」の作成を命じられたりしたとしている。

■「もうお前は機動隊にはいらん」顔面蒼白で「もうしんどい……」絶望の淵に

 こうした中、大地さんは先輩の巡査長らから、技能試験のカンニングを事実ではないのに認めるよう迫られるようになった。原告側によると、自殺した2015年10月6日午前、大地さんのもとへ先輩の巡査長が押しかけて廊下に呼び出し、「もうお前は機動隊にはいらん」などと約30分にわたって叱責していた事実が新たに判明したという。

大阪高裁に入る大地さんの両親<2022年12月1日午後>
両親は今後予定される控訴審審理も広島から大阪へ

 一審・神戸地裁の審理では、大地さんに対してカンニング疑惑を先輩が延々と追及したとされていたが、自殺直前の具体的な時間帯が特定された(大地さんが死亡したのは、この9日後の同年10月15日)。一部の隊員の証言によると、大地さんはその直後、真っ青な表情で「もうしんどい」などと話したのが最後だったという。

阪神甲子園球場・警備本部での大地さん
「もう一度審理のスタートラインに」大阪高裁は新証拠をどう判断するか

 控訴審ではこれらの行為の有無が争点となる。被告・兵庫県(兵庫県警)はこれを否定して請求棄却を求め、原告側は大地さんの存在を完全に否定され「『もう警察では生きていけない』と絶望の淵に追いやり、自死へ決定的に追い詰めたことは明らか」と主張している。

 さらに上司(機動隊中隊長)については「規律違反(ハラスメント、及び前記の職務義務違反行為)を知っていながらこれを放置した。また、注意を払えばパワハラ行為ではないかとの疑問が生ずるにもかかわらず、これを漫然と見過ごし、調査を怠った義務違反が存在する」としている。

パワハラ行為を否定する被告(兵庫県・兵庫県警)側の答弁書を読み進め、怒りをあらわにする父・一仁さん
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