日常的に口にすることの多いお茶。日本茶や紅茶、ウーロン茶、豆茶、ハーブティーなどさまざまあるなか、近年注目度が高まっているのが「ルイボスティー」だ。ノンカフェインで、妊娠中の女性や子どもにもやさしいとして人気を呼んでいる。
ルイボスティーは、その名の通り「ルイボス」を乾燥させたもの。ルイボスとは南アフリカ共和国特産のマメ科の植物で、南アフリカの中でもシェダーバーク山脈周辺だけに生える貴重品だそう。茶葉は赤褐色で針のような形をしており、ルイボスティーも紅茶のように赤みがかった色になる。抗酸化物質の一種であるポリフェノールを豊富に含むことから、活性酸素の抑制や除去などの効果が期待される。
飲食チェーンでこのルイボスティーを取り入れているのが、ラーメン店の「一風堂」だ。
同店が水の代わりにルイボスティーを提供していることは、今でこそ広く知られるようになったが、じつは提供を始めたのは20年ほど前。まだルイボスティーの存在が世間に浸透していなかった2001年頃のことという。同グループの広報担当者によると、創業者の河原成美氏が、スッキリとした味わいを持つルイボスティーの存在を知り、店で提供している豚骨スープと相性が良いと、全店(※)での導入を決めたとのこと。(※フードコート業態など一部店舗では提供していません)
当時、ルイボスティーは他チェーン店での提供はなく、現在のようにコンビニなどで売られるなど身近でもなかった。社内から反対の声は上がらなかったそうだが、店舗スタッフも初めて知るお茶だった。「スタッフたちは、どのようなお茶なのかをお客様に一生懸命説明しました」(広報担当者)という。
来店客には飲んだ経験のない人も多く、初めての味に驚きながらも「“特別なお茶”を飲める」と喜ぶ人が多かったそう。その後、“一風堂のルイボスティー”は口コミで広まり、今では、店頭でルイボスティーの茶葉を販売するまでになった。客の中には、ピッチャーに入った量を飲み干し、さらにおかわりするほど好む人もいるという。