今やすっかり日本の国民食になったカレー。インド発祥のグルメが日本国内で独特の発展を遂げたとされ、どの国のカレーとも異なる味わいを持つといいます。その中でも個性が際立つ「メロンカレー」を提供するレストランが兵庫県神戸市にあります。インスタグラマーも注目のメロンカレーを提供するビストロ「cena(セーナ)」(神戸市中央区中山手通)を取材しました。
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神戸の中心地、各線三宮駅から歩いて5分ほど。神戸を代表する観光地・北野異人館街へとつながる北野坂を少し西に入ったところにたたずむビストロ「cena」。屋根裏をイメージした落ち着いた大人な雰囲気の空間で、和・洋・中を織り交ぜた創作料理を楽しめる店です。
家族が飲食店を営むなど、子どもの頃から料理に親しんできた店主の市原さんは、培ってきた知識や技術を生かして2018年7月に同店をオープンしました。毎日市場に出向いて調達した食材や、市原さん自ら畑で育てている新鮮な野菜などを使用し、「マグロの脳天カルパッチョ」や「あん肝紫蘇ソース」「ハマグリと自家製からすみのパスタ」(※1)など、ジャンルや形にとらわれない料理を創作。その時期にもっともおいしくなる旬の食材を使って、最適な調理方法で提供することにこだわります。
来店客のニーズに応え、一人ひとりに合った調理方法でメニューを作るためリピーターも多く、アスリートにもファンが多いといいます。
なかでも、来店客の多くが驚くメニューが「黒毛和牛とメロンのスパイシーカレー」。15種類のスパイスとメロンの果肉を煮込んだ、スパイスの風味とメロンの甘味が合わさった味わいが特徴です。メニュー開発のために様々なフルーツを煮込んで試作した結果、たどり着いた一皿とのこと。かつて市原さんが勤めていた和食店で、当時の料理長に教えてもらったレシピをアレンジした大切なメニューでもあるそう。神戸のインスタグラマー・ウラリエさんも気に入ったそうで、自身のインスタで、「スパイスがしっかりくるんやけどこれがまたクセになる」「思い出したらまた食べたくなってきた」と発信していました。
どこか隠れ家のような同店。来店客には「このお店は人に教えたくない」と考える人も多いのだとか。店主の経験とアイデアによって生まれたメロンカレーは、人気メニューとして神戸のグルメたちを温かく迎え続けています。
※1 季節メニューは2023年10月時点の内容です。
※ラジオ関西『火曜Clip』より