「第42回全国中学生人権作文コンテスト兵庫県大会」で、最優秀賞5編を含む各賞が選出されました。コンテストには、兵庫県内から8万5841編の応募がありました。そのなかで、作品『無意識の決めつけ』でラジオ関西賞を受けた加古川市立平岡中学校3年の藤本愛姫さんに話を聞きました。
――この作品を書こうと思ったきっかけを教えてください。
【藤本さん】 何を書くかは正直迷いましたが、以前母に教えてもらった言葉を思い出し、その言葉をみんなにも知ってもらいたいと思ったことがきっかけでした。
小学4年生のときに開催された2分の1成人式で、自分にはもともと双子の姉がいて生まれるときに亡くなってしまったことを聞かされたんです。
――自分に姉がいたことを最初に聞いたとき、どのように思われましたか。
【藤本さん】 正直実感は湧きませんでした。ですが、「私の人生は私だけのものではない」ということだけは意識して生きていこうと思いました。
――「子どもはまだなの?」「結婚はしないの?」など、日常にありふれた何気ないひと言に違和感を覚えることもある、と作品につづられていましたが、ご自身にも引っかかるものはありますか?
【藤本さん】 そうですね。人権的な問題は日常的な会話のなかにも出てくると思っています。ふとした会話で、「そんなことを言う必要はあるのかな?」と引っかかるようなことを言っている人を目にすることもあるので、とても気になります。
――学校生活のなかで違和感を覚えることもあるのでしょうか?
【藤本さん】 最近、大人も子どもも「それ言ってもいいのかな?」と思うようなことを、冗談まじりで本人に直接、あるいは影で言ったりしているので、良くないなぁと感じています。
――仲のいいご友人とは好きなアニメ作品などの“推し”について話すことが多いとのことですが、一方で、いろいろな言葉があふれているSNSなどに「あれ?」と思うこともありますか?
【藤本さん】 いろいろな感想やコメントがあふれているネットでは、好きなものを楽しんでいるだけなのに批判的なコメントなどがたくさんあがっていて、「(そういった口論は)みんなが見るSNSではするべきではないのに」と感じることがあります。
――作品の最後には、「無意識でも傷つけることがあるし、もっともっと言葉を選んでほしい」という言葉がつづられています。そういった世の中にしていくためには、どうするべきだと思いますか?