暑くなってくると食べたくなるのが「アイスクリーム」。イチゴや抹茶・チョコレートなど様々なフレーバーがありますが、最も定番なのは「バニラ」という人も多いのでは。昔から親しまれているバニラ味ですが、一体なぜ定番と認識されるようになったのでしょうか? 一般社団法人日本アイスクリーム協会・石井克明さんに話を聞きました。
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アイスクリームの起源は紀元前にまでさかのぼります。食品を保存するために利用されていた氷雪を、兵の士気を鼓舞し肉体を元気づける「健康食品」として食べるようになったことが始まりと言われています。その後、果汁や蜂蜜を加えるなどして進化。アラブや古代ギリシャ・ローマ、そして中国でも王侯貴族や富裕層に嗜好品として愛されるようになりました。
バニラフレーバーが登場し定着したタイミングについて、石井さんは次のように話します。
「アイスクリームが現在の形になったのは18世紀ごろ。近年は原料である牛乳や卵などの品種改良が進み、配合飼料が使われていることから臭いが抑えられていますが、当時は獣臭さがあったそう。そのため焼き菓子などに使われていたバニラビーンズを香料として加えてみたところ臭いが消えたことで、アイスクリームに常用されるように。またバニラビーンズによってアイスクリーム本来の色味が損なわれることがなかったため、色付けするなど応用ができたことも要因として考えられています」(石井さん)
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こうして広く使われるようになったバニラビーンズ。昔も今も変わらず人々に親しまれているのは、匂いの成分「バニリン」が理由なのだとか。バリニンは人間を含む哺乳類の母乳にも含まれていることから、ヒトの本能的にバニラが好まれるようになり定番に鎮座することとなったようです。
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip水曜日』2024年5月21日放送回より