私たちの暮らしを支えるライフラインのなかでも、環境に優しく災害にも強いとして改めて注目を浴びている「LPガス」。兵庫県のたつの市、宍粟市、太子町、姫路市林田町の一部では、エリア内の大部分を占める約3万5千世帯がメインエネルギーとして利用しています。
同地域のLPガス環境を管轄している、兵庫県LPガス協会・西播東支部支部長の門田康裕さんによると、同支部では、2015(平成27)年に「災害時におけるLPガス等支援協力に関する協定書」を交わしてから約9年間、地域との連携を図ってきたといいます。
「地域住民の安全につながれば」との思いから、市民を対象とした救命士講習「普通救命講習」を実施。同支部内だけで40人もの受講が完了しているのだそうです。ほかにも、ガスの配送車両を利用し「子ども110番の車」としての活動を行うことで、日常的に地域と関わりを持つよう努めていると話します。
そのようななか、現在兵庫県内では災害時に備え、避難所施設へのガスを使った空調設備「GHP(ガスエンジン・ヒートポンプ・エアコン)」の導入が進んでいます。同支部では、今年度中に県立太子高等学校への導入が決定しました。
門田さんによると、GHPは平常時は空調として、災害時には発電機や調理の熱源として利用することができます。「災害時、急に使うことは難しいので、普段から継続的に利用していただくことで、もしものときに備えられれば」と門田さん。GHPを設置する意義について説明しながら、「エネルギーの多様化が進むいま、可搬性に優れるLPガスこそ活用していただきたいと考えています」と語りました。
門田さんいわく、GHP導入は少しずつ進んでいるものの「電気や都市ガスと比べると、LPガスの認知度はまだまだ低い」とのこと。魅力・メリットを1人でも多くの人に知ってもらう機会を増やすべく、「住民の皆さんに、より(LPガスについて)知ってもらえるようなイベントなども実施できれば」と今後の展望を明かしました。
※ラジオ関西『歌声は風にのってブランチ』より