阪神・淡路大震災30年 子午線上の大時計停止 今後の防災を考えるきっかけに 明石市立天文科学館 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

阪神・淡路大震災30年 子午線上の大時計停止 今後の防災を考えるきっかけに 明石市立天文科学館

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 阪神・淡路大震災から30年となった17日、明石市立天文科学館(明石市)では、復旧・復興のあゆみを振り返り、今後の防災について考えるきっかけにしようと、地震が発生した午前5時46分に、大時計を停止しました。

5時46分で止まった大時計

 阪神・淡路大震災では、同館も被災し、日本標準時の象徴となる直径6.2メートルの大時計は地震発生時刻の5時46分で止まりました。震災から30年となった、2025年1月17日午前5時46分、同館の職員が、3階展示室にある親時計(大時計を制御する時計)を手動で停止し、黙とうを捧げました。震災で同館は「(大時計の)塔が倒れる寸前の被害」(井上毅館長)を受け、親時計は無事だったものの、大時計を結ぶケーブルが切れ、停止したと考えられています。

大時計の「親時計」
3階展示室にある大時計の「親時計」
大時計を制御するスイッチ 真ん中の「停止」の位置にある
大時計を制御するスイッチ 真ん中の「停止」の位置にある

 地震で停止した大時計は2代目で、現在は神戸学院大学有瀬キャンパスに移されています。同館は地震で甚大な被害を受けましたが、プラネタリウム機械本体に大きな損傷はなく、3年2か月の復旧工事を経て、1998年3月に再開し、復興・復活へ踏み出すきっかけになりました。被害を受けた2代目の大時計は、震災から1か月後の2月17日に動き始めましたが、現在は3代目の大時計が日本標準時を刻み、国内現役最古のプラネタリウムは、現在も星空を映し出しています。井上館長は「日本標準時子午線の象徴であり、震災復興の象徴という一面も持っている。30年前を思い出し、その歩みを振り返り、今後の防災について考えるきっかけにしてほしい」と話します。

画像提供:明石市立天文科学館
画像提供:明石市立天文科学館

 またこの日は、明石市立中崎小学校の避難訓練が行われ、全校児童約360人が、同館に避難してきました。金井有一郎校長は、「地震はいつ起こるかわからない。自分の身を守る行動をとってください。また家族と避難場所の確認をしてください」と話しました。一方、同館の避難訓練も行われ、防災を学ぶ5年生が参加。プラネタリウム上映中に緊急地震速報が流れたとの想定で、職員の指示で館外に避難しました。

避難訓練で明石市立天文科学館に集まった明石市立中崎小学校の児童たち
避難訓練で明石市立天文科学館に集まった明石市立中崎小学校の児童たち
明石市立天文科学館の避難訓練 プラネタリウムから小学生が避難
明石市立天文科学館の避難訓練 プラネタリウムから小学生が避難

 館内では震災当時の状況を紹介するパネルも展示され、同館が受けた被害やその後の復興のあゆみについて紹介しています(1月31日まで)。

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