日本の和食器といえば陶器や木製のものがスタンダードですが、韓国ではシルバーカラーのステンレス製がおもに使用されています。これは一体何故なのでしょうか? 語学スクールの「ワンコイングリッシュ」(本社:東京都新宿区)の担当者に話を聞きました。

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韓国映画やドラマを見ていると、食事シーンにはしばしば銀色の箸や椀が登場します。担当者によると、同国でで銀色の箸や食器が使われている主な理由には、歴史的な伝統・食文化・衛生面・実用性などが挙げられるといいます。
「韓国は古くから金属加工技術が発達しており、王宮や両班(ヤンバン)などの上流階級では、真鍮や銀などの金属製食器が使われていました。その文化が一般家庭にも広がっていったとされています」(担当者)
また、韓国ではキムチ・塩辛(チョッカル)・発酵調味料などの色やにおいが強い食材を多用する食文化があります。これらは木製やプラスチックの食器だと色移りやにおい移りが起こりやすいため、金属製の箸や器を使うのが衛生的かつ実用的なのです。韓国料理のなかにはスープやチゲなど高温調理するものも多く、耐久性の面でも金属食器が適しているとのこと。

筆者がリサーチしていたところ、「銀色の食器を使うのは王族の毒殺を防ぐため」というエピソードもちらほらと見かけました。これは食器に使用されている銀が、当時毒として使用された「ヒ素」に反応するため、いち早く気づくことができる……という理由があるのだとか。これについて真偽のほど担当者に尋ねると、「伝説や逸話に近いものですね。銀が特定の物質と反応して変色する性質はありますが、実際に毒を判別する方法としては科学的に信頼できるものではありません」と回答。それよりも、「銀食器は高価で貴重なもの」「権力の象徴」といった理由で王族にも使用されていたという説が有力だとか。

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現代の韓国はというと……コンビニやテイクアウトでは割り箸、天ぷらなどの料理では高級な木製箸などが使われてるとか。しかしながら、ステンレス食器は家庭・飲食店・給食・病院・軍隊などさまざまなシーンで活躍しており、食文化の中に強く根を張っています。
(取材・文=つちだ四郎)

【取材協力】株式会社ワンコイングリッシュ




