神戸市長田区の大正筋商店街にある日本茶専門店「味萬」が、節目の時を迎えている。昨年(2025年)9月、先代である父親から代表の座を引き継いだ伊東靖浩さんが、店の新たな歩みを進めている。
伊東さんは代表就任について、「これからいろんなことを自分の力でやっていかないといけないなと思い、すごく重責を感じる」と話す。

この店は、1995年の阪神・淡路大震災で店舗が全焼するという苦難に見舞われた。当時、伊東さんは小学生だったが、震災から1週間後、焼けた店の前に立ち、父親と力を合わせて再スタートを切ったという。
伊東さんは、「震災の前からも店を手伝っており、長田区が遊び場のような状態だったため、本当に震災で何もなくなっていったのを痛感した」と当時を振り返る。
現在、店では日本茶をはじめ、抹茶アイスなど日本茶葉の風味を楽しめる商品を取りそろえている。濃度によって味わいの違いを楽しめる抹茶のアイスクリームが人気で、アイスのセット商品が「おもてなしセレクション」と呼ばれるアワードで金賞を受賞したこともある。
一方で、伊東さんは近年の抹茶人気について、課題も感じているという。
「抹茶ありますか、という言葉を若い人から聞く機会は増えましたが、日本茶ありますか、という言葉はなかなか増えてこない」
国内よりも海外での需要が高まる中、2025年には抹茶の仕入れ価格が倍近くになるなど、影響も出ているという。
伊東さんは、地域のイベントへの参加をはじめ、さまざまなネットワークを通じて、日本茶の魅力を発信していきたいと考えている。
「最近は海外から店に来られる人も増えているので、そういうところにも情報発信しながら、皆さんが立ち寄りやすい店になっていけるように頑張っていきたい」と今後への思いを語った。

※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より


