どこか懐かしい雰囲気で愛されるスパゲティメニューの「ナポリタン」。メニュー名にあるナポリはイタリアの湾岸都市ですが、料理自体は日本発祥であることを知っていましたか? ナポリタン誕生の店、ホテルニューグランドの担当者に話を聞きました。

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横浜にあるホテルニューグランドは、終戦後GHQ将校の宿舎として接収されました。軍用保存食のなかにスパゲッティとトマトケチャップがあり、当時の米兵の間では塩・胡椒で味付けした茹でスパゲティにトマトケチャップを和えたものがよく食べられていたそうです。
接収が解除されあと、残ったのは大量の乾麺でした。2代目総料理長・入江茂忠氏はこれを使った新メニューを生み出すべく、よりトマト風味をいかしたソースを開発。この背景には「横浜市民に栄養価の高いメニューを作ろう」という思いもあったとか。同ホテルのナポリタンはこうした経緯を経て完成したのです。

ではなぜ「ナポリタン」と命名したのでしょうか? 由来に関して質問すると、担当者は次のように説明しました。
「初代総料理長のサリー・ワイル氏がホテルに持ち込んだレシピの中に『スパゲチ・ナポリテーイン』というものがありました。パスタにトマトペーストを絡めた“付け合わせ用”のシンプルな料理です。入江氏は『ホテルで提供するにふさわしいスパゲティ料理を作ろう』と考え、この料理をベースに主役となるメニューを目指したことからナポリタンと付けたのです」(担当者)
さまざまなきっかけで誕生したナポリタンですが、イタリア人はどういった反応なのでしょうか? 担当者は「当ホテルは日本人のお客様が多いということもあり、海外の反応を聞くことはあまり無いですね。ひとつ言えるのは、ナポリタンは『日本の洋食』であるということ。西洋料理を日本人の好みにアレンジしたメニューなのです」と述べました。
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ちなみに喫茶店・家庭のナポリタンについては、根本的な誕生の経緯が全く異なるとか。独自に調べてみるとおもしろい発見があるかもしれません。
(取材・文=つちだ四郎)

【取材協力】ホテルニューグランド
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