「人が集まる場所」を農園から “いちご”がつなぐ地域の新しい風景 【兵庫・太子町】

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 農業は作物を生産する場であると同時に、体験や交流の場としての役割も担い始めています。観光農園はその一例で、地域に人を呼び込む拠点として各地で広がりを見せています。兵庫県太子町でも、いちご農園という形で人の流れを生み出そうとする取り組みがあります。詳しく取材しました。

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 話を聞いたのは、太子町でいちご農園「TAiSHi farm(タイシファーム)」を営む栗岡弘明さんです。元サラリーマンという経歴を持ち、農園を始めて今年で6年目になります。

TAiSHi farm 直売所とハウス(奥)
TAiSHi farm

「地域に人が集まってもらえることをしたいと思ったんです」と話す栗岡さん。実家は兼業農家で米作りをしていましたが、いちご栽培は未経験でした。各地の農園を訪ねて学び、農業大学校でも研修を重ねて基礎から技術を身につけました。「見ても楽しい、香りでも楽しい、味でも楽しい。それがいちごの魅力でした」と振り返ります。

 現在は4棟のハウスで6品種を栽培しています。人気の「おいCベリー」や白いちご「白蜜花」、種から育てるF1品種「よつぼし」など、多彩な品種をそろえ、時期をずらしながら長く楽しめる環境を整えています。

珍しく、人気のある「白蜜花」
珍しい品種「白蜜花」

 栽培方法は高設栽培を採用。目線の高さで収穫できるため、しゃがまずに摘み取ることができます。子どもから高齢者まで利用しやすく、通路も広く確保。ベビーカーや車いすでも移動しやすい設計です。過去にはデイサービスの利用者が訪れたこともあるといいます。

ハウスの中の様子
ハウスの中の様子

 併設の直売所は午前9時に開店。朝採れのいちごや手作りのいちご大福を求め、町内外から来園者が訪れます。「太子町に人が集まってほしい。それが一番の思いです」と、地元への想いを語る栗岡さん。最近では大阪方面から足を運ぶ人もいるといい、その歩みは着実に広がりを見せています。

TAiSHi farm 直売所
直売所

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 観光農園という形で農業に新たな役割を持たせる取り組みは、地域に人の流れを生み出す一つの実践といえそうです。

(取材・文=洲崎春花)
※ラジオ関西「谷五郎の笑って暮らそう」2026年2月22日放送分より

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