自分の命は自分で守るという原則。先月の2月13日に震度6強を記録する地震が福島県でありました。そのとき、テレビもラジオも「津波の心配はありません」と放送しましたが、福島の沿岸部の人たちは高台に逃げたんです。決してテレビの放送を信じなかったわけではないんですが、大切な家族を失ったり大切な地域を失った経験をした人たちは、逃げたんです。「やっぱり津波来なかったじゃないか」と笑い話で終われば、それでいいんですよね。それがこの震災での“教訓”だと思います。
「忘れないことが最大の支援だ」と私は言っているんですが、もちろん3月11日を忘れて欲しくない。でも、いつでもどこでも災害は起きる可能性がある。明日起こるかもしれない、むしろ今日この後で起きるかもしれない……。そういうことを忘れず、災害が起こったときに自分の命は自分で守る。そして家族で命を守るにはどうすればいいか、ということを話し合う。3月11日をそういうきっかけの日にしていただけたらと思います。
※ラジオ関西『PUSH!』2021年3月11日放送回より