2018年『R-1ぐらんぷり』(現『R-1グランプリ』)王者で、“盲目の漫談家”濱田祐太郎さんが、「ユニバーサル社会」について考えるラジオ番組に出演。「知的障がいのある方、自閉症の方の社会参加を考える」をテーマに、ゲストを交えて現状や課題などを語り合った。
《※「ユニバーサル社会」とは、年齢・性別・障がいの有無や、言語・文化などの違いに関わりなく、すべての人が地域社会の一員として尊重される社会のこと》
「ひょうごユニバーサル大使」を務める濱田さんが出演する【濱田祐太郎のひょうごユニバーサル通信】(ラジオ関西『PUSH!』内)。5月18日放送のゲスト、「公益財団法人兵庫県手をつなぐ育成会」理事長の井上三枝子さん(リモート出演)は、「もっと知的障がいのある方、自閉症の方について知ってほしい」と強調する。
◆外見から判断することが難しい、知的障がいや自閉症
「公益財団法人兵庫県手をつなぐ育成会」とは、知的障がいの子どもを持つ親の会。各地からの要望や意見をまとめ、行政につなげたり、会員向けの研修を行う。また、本人の権利擁護について、権利擁護委員会を立ち上げ、勉強会や施設見学会も実施している。
外見から判断することが難しい、知的障がいや自閉症。なかには感覚が鋭すぎて過敏になってしまう人もいるという。「例えば駅のホームだと、いろんなアナウンスやベルの音など、たくさんの音があふれているため、聴覚が敏感に働き、しんどくなってしまいます。また、視覚情報も今は、電光掲示板やポスターなどが多く、一度に情報を処理できず、パニックになってしまったり、不安で落ち着かない行動をとってしまうんです」(井上さん)。障がい特性は個人によって異なり、反対に感覚が鈍感だと、ケガをしていても気付かずにそのままにしてしまう危険性こともあるそうだ。
◆コロナ禍のいま、起きている悩み
コロナ禍のいま、必ず着用を求められるのが「マスク」。付けていないと批判の対象となる状況も起こり得る昨今だが、「知的障がいのある方や自閉症の方は、付けたくても感覚が過敏なため、付けることができなかったり、消毒をするという行動を起こすことがスムーズにできない人もいる」。そのため、お店への入店を拒否されたり、批判されてしまう事案が起こっている。
そうなると、パニックになって大きな声を出したり、飛び跳ねたりしてしまって、自分で抑えることができないことも。なので、「冷ややかな目で見ないで、“何か嫌なことがあったのかな”、“体調が悪いのかな”と、温かい目で見守ってほしい」と、井上さんは訴える。
【放送音声】