8月、お盆をはさんで約1週間、停滞前線の影響で雨が降り続いている。
気象庁は、前線の影響で西日本から北日本の広範囲で、20日にかけて激しい雨が降るとして、土砂災害や浸水、川の増水・氾濫に厳重な警戒を呼び掛けている。
前線の活動は週末にかけて次第に弱まる見通しだが、南から流れ込む暖かく湿った空気や上空の寒気の影響で大気の状態が安定しないという。これまでの大雨により地盤の緩んでいる所があり、少しの雨でも土砂災害の危険度が高まる恐れがある。
大雨、長雨と地盤の緩みについて、地震学・地質学を研究する日本地震学会会員、西影裕一さんに聞いた。
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ふだん、雨が1時間に10mm(=1cm)降ったと聞いても「ああ、そうか」と気にも留めないだろう。自宅敷地が100平方メートル(10m×10m)とすると、敷地内には1m3の水が溜まったことになる。重さにすると約1tにもなる。そう考えると1時間雨量が50mm~80mmの「非常に激しい雨」、80mm以上の「猛烈な雨」の時は水害が起こる可能性が高いということが容易に理解できると思う。50mm以下の降水量でも長時間続いた場合も同じく災害が起こりやすくなる。
今年(2021年)は長時間にわたって集中的に雨を降らす『線状降水帯』がクローズアップされている。わずか2、3日で200mm~300mmもの雨が降り、各地で甚大な被害が出ている。