「農福連携」の現状と課題とは? 現場レベルの実情と事業者の思い | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「農福連携」の現状と課題とは? 現場レベルの実情と事業者の思い

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金ゴマ(左)と、金ゴマクッキー

 濱田さんは、ここで竹本さんに素朴な疑問もぶつける。

「竹本さんは最初、金ゴマでクッキーをつくるという話しのとき、なんで貴重なゴマをクッキーに使うのとは思わなかったのですか」

 竹本さんは「(作業の)ハードルが低いから焼菓子からやってみたほうがいいと指導をいただいてやっています」と事情を説明。そして、「ぜいたくに金ゴマを使うんですよ! 1キロ5000円もするものを……」と答えると、濱田さんは「(自分が稼ぐために)何回舞台に立たなきゃいけないんですか!」と自虐を交えながら、その価値の高さを理解していた。

◆農福連携のよさは「生きがいや、ふれあい、やりがい」を感じること

 農福連携の事業を行っていく中で、「地域の役に立っているということと、認められている喜びというのがあり、利用者さんが生きがいを感じてやってくれています」と竹本さんは語る。「農作業は夏は暑く冬は寒くて非常に厳しいですが、地域の方たちとのふれあいがあったり、栽培から収穫まで携わっているので(利用者が)やりがいを感じています」。

 また、農福連携によるメリットについてはこう続ける。「(障がい者なども)工賃向上や社会参加が実現でき、自身の視野を広く持つことができるといった福祉の面でのメリットがあります。そして、農作業の一部を手伝うことで、高齢化が進む農業分野の担い手として役立っているのかなと思っています」。

 しかし、一方で課題も見えてきている。「障がいの内容がそれぞれ異なっているため、どの事業所でも農福連携ができているわけではないので、できる部分を分担し、もっと多くの事業所で楽しく取り組んでいきたい。また、スタッフが高齢化していくと利用者に対応できないので、若いスタッフにも来てもらいたい」(竹本さん)。

「ドリームボール」としての今後の展望について、「来年度から休耕田を借りて、イチから自分たちだけで、金ゴマづくりをやっていきたい」と述べた、竹本さん。

 今回の番組を通じて農福連携の取り組みを知った濱田さんは、竹本さんの展望を受けて「金ゴマができたときには、いくらでも商品化プロデュースしますよ!」と対応。「農福連携は初めて聞く言葉だったが、一時期、農業ギャル、農ガールというものもブームになりかけていたので、そういった人たちと協力すれば、素敵な出会いがあるかもしれない」と、得意のユーモアを交えて答え、スタジオを和ませていた。


【放送音声】

 

 

 

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