『将太へ、最良の決着を』神戸・男子高校生殺害事件11年 急展開の「コールドケース」、その先に… | ラジトピ ラジオ関西トピックス

『将太へ、最良の決着を』神戸・男子高校生殺害事件11年 急展開の「コールドケース」、その先に…

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 2010年10月4日夜、神戸市北区筑紫が丘の路上で高校2年の堤将太さん(当時16)が刺殺され、10年以上過ぎた。兵庫県警・神戸北署捜査本部は2021年8月4日、殺人容疑で愛知県内在住のパート従業員の男(28・犯行当時17)を逮捕した。

 神戸地検は男(記事中は「元少年」と表記)の犯行時の精神状態や刑事責任能力の程度を調べるため「鑑定留置」とした(期間は12月13日までの予定)。

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 捜査本部が置かれている兵庫県警・神戸北署で犯人検挙の会見が設定されたのは午後8時30分。逮捕された元少年についての情報が明かされてゆく。

「犯行当時17歳、元少年…そうきたか」「少年法の壁やな」

兵庫県警・神戸北署捜査本部<2021年8月4日>
兵庫県警・神戸北署捜査本部<2021年8月4日>
犯人逮捕の会見に臨む兵庫県警 真鍋勝巳・捜査一課長(左)と永菅信弘・神戸北署長<2021年8月4日>
犯人逮捕の会見に臨む兵庫県警 真鍋勝巳・捜査一課長(左)と永菅信弘・神戸北署長<2021年8月4日>

 少年法61条(※《1》)で名前、顔は伏せられるが、51条(※《2》)で刑の減軽がある。担当検事は元少年について、敏さんに「適正な刑罰を科したい」とだけ冷静に話した。今はそれしか言えない。犯した罪と向き合うために、それ相応の罰を与えねばならない。そのためにはまず、責任能力の有無を調べなければならない。 精神科医に鑑定を委ねた。すべてはその結果が出てから。

 果たして10年10か月もの間、逃げていた元少年について、来るべき裁判員裁判で粛々と刑事手続きが進むのか、敏さんにとって懸念は残る。早ければ12月に鑑定留置の期限が来る。鑑定結果で刑事責任は認められるのか、起訴されるのか、敏さんはデリケートな局面を見つめ続ける。

堤 敏さん「将太にとって最良の決着とは」問う日々が始まった
堤 敏さん「将太にとって最良の決着とは」問う日々が始まった

 元少年の逮捕、将太さんの友人らには深夜に知らせた。何か機会があるたび、自宅を訪れていた友人たち。情報提供を求めるチラシをポスティングするのも手伝ってくれた。友人たちは、気持ちの整理がつかないであろう敏さんらを気遣い、その日は訪問を自粛した。犯人逮捕の一報を聞き、皆が号泣した。仕事帰りに知った友人の女性は涙が止まらず、いつも乗って帰るバスに乗れずに歩いて帰宅したという。

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