日本料理に欠かせない要素である「だし」。だしの味が良ければ料理のうまみが倍増するが、どうすれば家庭でも日本料理店のような味が出せるのか。料亭で長年日本料理の修行を積み、現在は神戸市で日本料理店『旬菜みやこ』を運営する株式会社プレジャーフーズの代表取締役社長・東秀治さんに話を聞いた。
東さんいわく、だしをとるポイントは素材の臭みやえぐみなどを出さないように注意することだという。用意する素材は昆布と鰹節。このふたつさえあれば『旬菜みやこ』のだしが家庭でも再現できるという。
【材料】
・羅臼昆布 20グラム
・鰹節 70グラム
・水 2リットル
・料理酒 100cc
【1】出汁を引く半日前に鍋に水2リットルを入れて昆布をひたしておく。(ポイント……昆布をふやかしておくことで旨味を最大限まで引き出すことができる)
【2】昆布を入れたままの鍋を中火にかけ、鍋底に空気がぷくぷくと立ってきたら昆布を取り出す。取り出したら一度沸騰させ昆布のアクをとり除く(ポイント:一度沸かすことで昆布のアクが取りやすくなり、くさみが出にくくなる)
【3】火を止め昆布だしに料理酒を加える。(ポイント……料理酒を合わせるこどで昆布のくさみをとる)
【4】鰹節を加え5分程おく。(ポイント……自然と鰹節が沈むのを待つ。かき混ぜるとだしが濁ってしまい、くさみが出てしまうので注意)
【5】キッチンペーパーやふきんなどで でそっと漉し5分置く。(ポイント……絶対に絞らないこと。絞ると鰹のえぐみが出てしまうので注意)
このだしを使った茶碗蒸しのレシピも教えてくれた。
【1】卵(Lサイズ)3個をボールに割り入れしっかりと混ぜる。
【2】600ccのだしと薄口醤油30ccを加える。
【3】2をこしあみでこす。(ポイント……この工程により滑らかな口触りになる)
【4】耐熱の器に鶏肉などお好みの具材を入れ3を静かに注ぐ。
【5】蓋をした蒸し器で強火で5分蒸す。蒸し器内部が高温になり続けることを防ぐため本体と蓋の間に割り箸などを挟み隙間を作り、蒸気を逃しながらさらに10分蒸し完成。(ポイント……茶碗の内部温度を80度にすることで滑らかな茶碗蒸しを作ることができる)