東さんは明石市にある料亭で日本料理の修行を10年間、その後寿司割烹の店でさらに2年間修行をした。そこで得た経験を継承していきたいという考えから独立。神戸市西区出身の東さんは「地域に育ててもらった」という思いが大きかったのだそう。生まれ育った故郷に何を恩返しできるのかと考えた際、農作業をしている人が多いことから“食”を通しての地域貢献を思い立つ。そこから野菜をメインとした料理を提供する店作りを行った。
そうして立ち上げた『旬菜みやこ』は、神戸市西区をはじめとする兵庫県産の食材を使い「地産地消」をテーマに日本料理を展開する。店名の“旬菜”には「旬の野菜を取り入れた和食を味わってもらいたい」という思いを込めた。そして、“みやこ”とは以前修行をした店を経営していた社長の名前で、どうしても使いたかったのだそう。「お世話になった人がいて、育ててもらった環境があって今の自分がいる。感謝の気持ちを忘れることなく運営していきたい」と東さん。
今では東さん自身が包丁を握ることは少ないというが、昨年おせち料理の依頼があった際には久しぶりに調理を行った。無心になって作り、提供した客から感謝の電話をもらったときには幸せを感じたのだそう。「人に喜んでもらうことが自分が幸せになるひとつの手段だと再認識した」と話していた。
日本料理の技術を次世代に継承していきたいと常々考えているという東さん。それも日本だけでなく世界に広げていきたいということで、いずれ海外に出店も考えているそうだ。東さんの力で日本料理の良さが世界にさらに広がっていくことを願いたい。
※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2023年5月16日放送回より
◆旬菜みやこ
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