日本全国「文化の違い」は多々ありますが、なかでも今回は食文化に注目しました。「うどんつゆの色」「納豆食べる・食べない」など、ざっくり西日本と東日本で分けただけでも違いがあり、さらに地方ごとに着目すればより特色が顕著に現れることも。旅行や引っ越しでそのギャップに驚くという人も多いのではないでしょうか?
食文化の違いは兵庫県の食品メーカー「フジッコ株式会社」(本社:神戸市中央区)の商品『ふじっ子煮』にも影響しているといいます。同社の胡麻崎さんに詳しい話を聞いてみました。
ふじっ子煮には基本のシリーズとして「ごま」「しそ」「こもち(=子持ち)」「おかか」「生姜」「椎茸」「葉唐」「さんしょ」「からし」「おにぎり昆布」という10種類のフレーバーがラインナップ。このフレーバーの人気具合が地域によって異なるというのです。
「全国的に見ると、ごま昆布を筆頭に、しそ昆布、こもち昆布が人気を集める傾向にあります。ところが、特定のエリアでは『なぜそのフレーバーが?』というような売れ筋ランキングになることも」(胡麻崎さん)
同商品の場合、全国における販売ランキングにおいて上位に位置するフレーバーがスーパーや販売店で販売されることが多いそう。そのため、全国的には人気の低いとされるさんしょ昆布やからし昆布などは、そもそも取り扱いがないというエリアもあります。
ところが、全国ではなく地方ごとの販売ランキングに目を向けると順位が微妙に変わってくるのだとか。
【北陸エリア】全国順位では下位ランクのからし昆布が人気
【近畿エリア】全国順位では下位ランクのさんしょ昆布が人気
【東北エリア】おかか昆布、さんしょ昆布が上位ランクイン
【中国・四国・九州エリア】全国ではごま昆布→しそ昆布の順で人気だが、しそ昆布→ごま昆布の順になる
同品の発売当初、定番としてごま昆布やしそ昆布などがリリースされました。その後、さんしょ昆布やからし昆布などのフレーバーが追加されたのですが、定番と比べると“変わり種”というイメージがあります。同社としても「定番以外のフレーバーは、もしかすると特定の地域で人気が出るのではないか」という狙いが多少なりともあったそうです。
たとえば全国的にはしょうがを薬味とする冷奴ですが、調べてみると北陸エリアの特に石川県は『からしを添えて食べる』という人が多いというデータが出てきました。このことから、北陸エリアでからし昆布に人気が集中するのも分かるような気がします。