「そうめんの里」があるたつの市をはじめとする播州には、室町時代から続く約600年のそうめんづくりの歴史があります。揖保郡太子町の斑鳩寺に伝わる日記『鵤庄引付』の1418(応永25)年の条に「サウメン」の文字が記されているのが、兵庫県最古のそうめんの記録です。
明治に入って生産体制が充実すると、品質の統一化が図られ、1887(明治20)年には「播磨国揖東西両郡素麺営業組合」(現在の兵庫県手延素麺協同組合の前身)が設立されました。その7年後に「揖保乃糸」の商標が誕生。製造者が責任をもって製品を送り出す仕組みが整えられ、揖保乃糸は今や生産量日本一を誇る名産品となりました。
揖保川のきれいな水、播州平野で採れる質のいい小麦、全国的に有名な赤穂の塩といった、手延べそうめんに欠かせない良質な材料に恵まれただけでなく、勤勉な農家の労働力もあって、播州は日本有数のそうめん産地となったのです。
「そうめんの里」では、歴史に加え、脈々と受け継がれてきた揖保乃糸の伝統の技も紹介。併せて、そうめん流しなどのさまざまな食べ方で揖保乃糸を食する機会が提供されています。
この夏、日本を代表する手延べそうめんの産地・たつのでそうめんについて学び、味わうと、そうめんがひと味違って感じられるかもしれません。
【参考】「揖保乃糸」「全国乾麺協同組合連合会」各公式サイト
(取材・文=洲崎春花)
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揖保乃糸資料館「そうめんの里」
住所 兵庫県たつの市神岡町奥村56番地
電話 0791-65-9000
【公式HP】