秋の味覚のひとつである、ぶどう。品種が多くハウス栽培も盛んなので春先から味わうことができますが、夏から秋にかけてが、まさに旬。さまざまな品種が流通します。そんなぶどうは、房の先端と枝側でどちらが甘いのかご存じでしょうか?
ぶどうにまつわる話を、組合員からのさまざまな問い合わせに対応している「コープこうべ商品検査センター」の担当者に詳しく話を聞きました。
――スーパーの店頭に、さまざまな品種のぶどうが並びはじめました。どれもおいしそうですが、同じ房でも、先端と枝側で味の違いはあるのでしょうか?
【担当者】 ぶどうは収穫基準に従って各産地から出荷されているため、店頭に並んでいるものは食べごろが多く、違いもそんなにあるわけではありません。ですが、同じ房でも場所によって熟す順番は違うんです。
――ひと房のなかでも、粒が同じように熟すわけではないんですね。
【担当者】 ぶどうは、枝に近い“房の上”から、先端に近くなる“房の下”のほうへと熟していくため、枝に近い“房の上”が甘くなる傾向があります。そのため、ひと房食べる場合は、先端から順番に食べていくと徐々に甘さが増していくことになり、最後までおいしく食べることができるといわれています。

――同じような話で、いちごがありますよね。いちごはどうなのでしょうか?
【担当者】 いちごも、「先端かヘタ側の根元、どちらが甘いか?」というのは話題になります。じつは、ぶどうとは逆で先端部から熟していくため、ヘタの部分よりも先端のほうが甘いんです。なので、ヘタをカットして根本側から食べはじめると、最後により甘く感じられます。
――いちごの旬はもう少し先ですが、その際は試してみたいと思います。
【担当者】 ちなみに、ぶどうに関するご相談に「ぶどうの皮に白い粉がついている。カビか残留農薬では?」という内容をいただくことがあります。
これは、「ブルーム」と呼ばれる脂肪酸などでできた天然成分が果皮の表面に浮き出たものです。もちろん、カビの場合もあるかもしれませんが、ブルームには、雨などをはじいて病気を防いだり、水分蒸発を防いで鮮度を保ったりする働きがあり、生産者の方々は収穫の際、できるだけ落とさないように丁寧に扱っていらっしゃいます。無害であり、むしろ新鮮さのあかしですので、洗うときも無理に落とす必要はありません。





