菅義偉首相が3日、 事実上の退陣となる自民党総裁選への不出馬を表明、構図が一変した総裁選は、17日告示・29日投開票に向けた動きが本格化する。
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関西在住の自民党員(50代男性)は「『人事の菅』が、人事を掌握できない環境に置かれた」とみている。各メディアの世論調査では、新型コロナウイルスの感染者数増加に比例して浮沈した菅政権の支持率、党内で失いつつあった求心力を取り戻すため、二階俊博幹事長を交代させ、河野太郎行政改革担当相や小泉進次郎環境相などを要職に充てるという、意表を突いた世代交代の案が、党員には裏目にでたようだ。「総裁選の直前に党人事を行う感覚が理解できなかった。これはコロナ対策への不信感をも上回るものだ。にわかに信じ難い話だったが『総裁選の推薦人が、本当に規定の20人集まるのか?』という話も出たぐらいだ」と打ち明けた。
兵庫県姫路市の自営業(40代男性)は「菅さんに何らかの圧力がかかったのではと思う。本人が総裁選出馬への意欲満々だという雰囲気を出しいたが、果たしてそうだったのか。1年前、安倍さんが桜を見る会での疑惑や支持率低下で無茶苦茶になってるところにコロナ。体調不良もあり辞任した。誰が引き継いでも、難局を乗り越えなければならない状態でバトンを渡された菅さんは、世襲の議員と違い、たたき上げで評価され期待もされたが、現時点で誰がやってもどうにもならないコロナ対応では、支持率も下がるし、国民への発信力も弱まる。『国民の健康、命を守る』こと以外に、軽々しい言葉を使えないところに、本人が一番もどかしさを感じたのでは」と話した。
大阪市天王寺区の大学院生(20代女性)は「専門家の懸念をよそに、コロナ禍で東京オリンピック・パラリンピックを開催したのは賛同できなかった。ただ、デジタル庁の創設、不妊治療の助成拡充、携帯電話料金の引き下げの道筋をつくった功績は大きい。それだけに投げ出したような感じがして、政治家としていかがなものかと思う。コロナ禍という『有事の際には向かない首相です』 と降参したようなイメージだ」と批判した。