4月を前に気温が上がり過ごしやすくなってきました。しかし、そのような時期だからこそ食品の保存については気をつけたいところ。今回は、納豆やみそなどの発酵食品について、コープこうべ商品検査センターの担当者に話を聞きました。
――発酵食品といいますと、納豆やみそなどがありますよね。
【コープこうべ商品検査センター(以下、商品検査センター)】はい。まずは「納豆に粘りがなく、においが強く感じられる」という事例をご紹介します。
――納豆の粘りがなくなることやにおいが強くなることは、気温が上がることに関係があることなのでしょうか。
【商品検査センター】納豆は大豆を納豆菌で発酵させて作っているのですが、加熱処理はしないので、発酵後も納豆菌は生きています。0~10度という低温で保管している間、納豆菌は休眠状態になっていますが、温度が上がると再び活発に動き出し発酵が進みすぎることがあります。
――おいしく食べるためには発酵が進みすぎないように注意が必要ということですね。
【商品検査センター】発酵が進みすぎた納豆の表面には白い粒状のものが出てくる場合があり、食べるとシャリシャリと砂をかんだような食感で苦みを感じることがあります。これは、発酵が進みすぎたことで大豆に含まれるたんぱく質が分解され、アミノ酸の一種「チロシン」が結晶となって出てきたことが原因です。
――チロシン自体はアミノ酸の一種ということですが、食べても大丈夫でしょうか。
【商品検査センター】食べても健康に害はありません。ただ、シャリシャリとした食感や苦みがあるため、おいしさは損なわれてしまいます。発酵が進みすぎないようにするには、温度の上昇を抑えることが大切です。購入後はなるべく早く冷蔵庫へ入れていただければと思います。
――お店で購入する場合は、保冷バックを使って温度が上がらないようにすることも良さそうですね。