旧優生保護法・兵庫訴訟 「戦後最大の人権侵害 まだ続くのか もう時間がない」国の上告に原告ら、怒りと落胆 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

旧優生保護法・兵庫訴訟 「戦後最大の人権侵害 まだ続くのか もう時間がない」国の上告に原告ら、怒りと落胆

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 旧優生保護法(1948~96年)の下で不妊手術を強いられたとして、聴覚障害者の夫婦ら兵庫県在住の5人(うち2人は死去)が国に損害賠償を求めた訴訟で、国は5日、計4950万円の賠償を命じた二審・大阪高裁判決を不服として、最高裁に上告した。

国の上告を受け会見する兵庫訴訟・原告の女性<2023年4月5日午後 大阪市北区>
妻の遺影とともに悔しさを訴える兵庫県明石市の男性<2023年4月5日午後 明石市内 ZOOMにて>

 旧優生保護法をめぐる訴訟はこれまで神戸地裁をはじめ、全国の10地裁・支部に起こされた。一審では原告敗訴が相次いだが、控訴審では流れが変わり、昨年(2022年)以降、大阪・東京の各高裁で逆転勝訴、熊本・静岡各地裁の4件で勝訴し、国に賠償命令が出されている。一連の訴訟で国へ賠償命令が出されたのは7件目。

逆転勝訴を知らせる弁護団(左)、入廷する原告ら<2023年3月23日 大阪高裁>

■戦後最大の人権侵害、国は20年の壁(除斥期間の解釈適用)に重大な問題ありとするが…

 兵庫訴訟の控訴審の争点は、2018年~2019年の提訴までに(不法行為から20年が経過すると賠償請求権が消滅する)民法で定めた「除斥期間」を適用するかどうかだった。
 国はいずれの判決も不服とし、上告や控訴をしている。こども家庭庁は5日の上告理由について「(大阪高裁判決は)除斥期間の解釈適用に関し、本件にとどまらない法律上の重大な問題を含んでいる」とコメントした。
 

原告逆転勝訴を知らせる電光ニュース<2023年3月23日 大阪市内>
大阪高裁

 2023年3月23日の二審・大阪高裁判決は、
▼国が旧優生保護法を違憲と認める、または▼旧優生保護法を違憲とする司法判断が最高裁で確定する のいずれか早い時期から6か月は除斥期間が適用されないとする初めての解釈を示し、原告らの損害賠償請求権は消滅したとは言えないと一歩踏み込み、被害者の救済範囲を広げる判断を下した。

■「やっと人間らしく生きて行けると思ったのに」原告ら落胆

「ただ普通に暮らしたいだけ これ以上の差別は耐えられない」原告・神戸市の女性は怒りを隠せない
ZOOMで参加した兵庫県明石市の原告の男性「どうして理解してくれないのか」と手話で抗議
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