香ばしい香りと独特の味わいにファンが多いコーヒー。自宅でゆったりと飲むのもいいですが、アウトドアや純喫茶など非日常的な空間ではまた違った楽しみがありそうです。
城下町・兵庫県たつの市に、1884(明治17)年に建てられた古民家をリノベーションしたカフェがあります。オーナーのこだわりで、土間や土壁の良さを残しています。自家焙煎とオリジナルブレンドが自慢といい、扉を開けるとコーヒーのいい香りと共に落ち着いた雰囲気の空間が広がります。
この『わのわ自家焙煎珈琲』のオーナーは高田欣弘さん。神戸生まれ、たつの市育ち。地元で店を開くのが夢だったそうです。子どもたちが大きくなるまで待つと、脱サラをして夢を叶えました。
カフェオーナーとしてのモットーは「安いのに、おいしいコーヒー」。同店では、5か国7農園から豆を仕入れています。ブレンドやアイスコーヒーはもちろん、エスプレッソ・カプチーノ・カフェオレなど多彩なメニューをそろえています。
店内で目を引くのが、焙煎豆オリジナルブレンドと書かれた看板です。高田さん自ら考案したブレンドコーヒーの名前が、特長とともに並び記されています。
【わのわ】マイルドで飲みやすい
【かすみ】すっきりしたやや浅煎り
【あかね】コクのあるやや深煎り
【りょう】アイス用。じっくり深煎り
「わのわ」は、その名の通り店の看板ブレンド。「かすみ」は龍野城の別名である霞城から、「あかね」は龍野の秋の風物詩である赤とんぼのアキアカネから、そして「りょう」は地元の清流、揖保川が流れる様子を表しているそうです。現在、オリジナルブレンドは4種類ですが、これからも色々なブレンドを増やしていきたいと高田さんは意気込みます。
店内には大きな焙煎機があり、営業で使用するのはもちろん、定休日の火曜限定で予約制の焙煎体験教室も行っています。
高田さんは、開業に向けて焙煎を学んでいた時の感動が忘れられないのだそうで、「コーヒーにもっと興味を持ってもらえるように」との思いから体験教室を始めたといいます。教室を通して地域やコーヒー好きの人たちとの交流を深めているとのことで、「ご自身で焙煎したコーヒー。試飲した後は残った豆をお持ち帰りいただき、ご自宅でも楽しんでもらえれば」と、コーヒー愛あふれる笑顔で語りました。
※『谷五郎の笑って暮らそう』「ぐるっと西播磨」2023年5月16日放送回より