淡路に「阿波踊り」の文化が残る地域も?! 「ヒョーゴスラビア」における県境とは (1)淡路 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

淡路に「阿波踊り」の文化が残る地域も?! 「ヒョーゴスラビア」における県境とは (1)淡路

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 日本列島、本州を陸路で縦走しようとすると、必ず通らなければならない県が1つだけある。それが兵庫県。北は日本海、南は瀬戸内海、淡路島の向こうには太平洋と、本州で2つの海と接しているのは、両端の青森県、山口県を除くと兵庫県だけだ。

 兵庫県はかつて、摂津・丹波・但馬・播磨・淡路の旧五国から構成され、多くの文化が入り混じっていた。それは現在にも受け継がれ、特色あるそれぞれの文化が存在する。2010年代には「ヒョーゴスラビア」という表現が登場した。かつてヨーロッパにあった多くの文化が混ざり合った国「ユーゴスラビア」になぞらえたものだ。

 2020年からのコロナ禍では、日本では「都道府県をまたいだ移動の自粛」が求められ、これまで以上に「県境」が意識されるようになった。では実際はどうなのか? 県境付近に住む人の意識は? 兵庫県「ヒョーゴスラビア」の旧五国ごとに県境付近を訪ね、そこに住む人の思いに迫る。第1回は、「淡路」。

ラジオ番組『BORDER~ヒョーゴスラビアにおける県境とは』取材の様子
ラジオ番組『BORDER~ヒョーゴスラビアにおける県境とは』取材の様子

<その1>淡路

 淡路国は、淡路島。淡路島は日本の神話の中で日本で最初にできた島とされている。つまり兵庫県どころか日本の始まりの地といっても過言ではない。

 淡路の名前の由来は、「阿波の国への道」という説がある。淡路島の南部、南あわじ市と徳島県鳴門市が「海の県境」=鳴門海峡を挟んで隣り合っている。鳴門海峡大橋で結ばれていることから、行き来も多く県境を意識している人は少ない。橋を渡って、南あわじ市の人は徳島へ、鳴門市の人は淡路島を通って神戸へ買い物に行くという声も聞かれた。

 一方で、県境を意識するというのは徳島・鳴門の漁師=漁業関係者。漁業権が違うという。県境となっている鳴門海峡では、徳島の漁業権で淡路島の沿岸近くまで漁ができる。対する兵庫県側も、鳴門海峡で漁ができる。漁ができるエリアが重なっているところもあり、漁業権の「境」は鳴門海峡の「真ん中」ではないのだ。

 とれた魚介類が「徳島に水揚げされる」と「なると○○」というブランドがつくものもある。また、兵庫側と徳島側で漁の方法も違うこともあるそうだ。ある漁師は「近年、とれる魚が変わってきている。回遊魚のハマチが、南へ移動しないのか1年中いる」と話す。これは温暖化が原因なのか……。「このような変化が怖い」とも。これは「海の中の境」が変わってきているのか。

鳴門市 堂浦漁港 荷揚げ場
鳴門市 堂浦漁港 荷揚げ場

『BORDER~ヒョーゴスラビアにおける県境とは』アーカイブ記事
(2)播磨…「備前」なのに、兵庫!?
(3)但馬…獅子舞と“ステッカー”がつないだ地元意識
(4)丹波…ライバル意識バチバチの兵庫と京都 でも“大河”では結束
(5)摂津…「空港ターミナルの派出所に兵庫県警と大阪府警が詰めている」!?

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