【担当者】 ほかによくあるのが、お煮しめには欠かせないごぼうとれんこんの色のお話です。「ごぼうがピンク色になったり緑色になったり、れんこんが黒っぽくなったりする」という内容です。
――確かこれらも、色が変わっても問題ないのですよね?
【担当者】 いま挙げた色の変化については、健康上は問題ありません。そしてその原因なのですが、どれも、それぞれに含まれるポリフェノールにあるのです。
――そうでした。
【担当者】 ポリフェノールにはいろいろな種類があり、ごぼうに含まれる「クロロゲン酸」が空気や酵素と反応してピンク色になったり、こんにゃくと一緒に煮ることでこんにゃくに含まれる凝固剤と反応して緑色になったりしてしまう場合があるのです。
れんこんの場合は「タンニン」と呼ばれるポリフェノールが含まれているのですが、これが空気に反応したり、鉄分と反応したりして黒くなると考えられています。
――空気に触れるということは、酸化反応ということですよね。まさに、理科の実験のような反応をするのですね。
【担当者】 そうですね。食品は化学物質の集まりでもあるので、いろいろな反応によって色が変わることもあるのです。
――お煮しめですとほかにもいろいろな野菜がありますが、たとえば、にんじんのお話はありますか?
【担当者】 にんじんは根菜のなかでも特に色が鮮やかなので、お煮しめには外せませんね。にんじんでしたら、「木のようにかたい」という問い合わせをいただくことがあります。
――木のようにかたいにんじんですか? そんなことがあるのですね。
【担当者】 この現象は、「とうだち」と呼ばれる花茎(花を咲かせる茎)の成長がはじまったあとに収穫された場合によると考えられています。養分や水分はとうだちに使われるため、この時期に乾燥が続いてしまうと木化し、かたくなってしまうことがあります。ごぼうも生育不良などで内側が木化してかたくなることがありますが、外目からはわからない場合が多いです。
――にんじんもごぼうも根っこを食べる野菜ですから、似たような現象が起こるのですね。ありがとうございました。
※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』2025年12月16日放送分より





