夏に食べたい! 手延そうめん「揖保乃糸」 フィールドパビリオンで製造工程・小分け作業を体験 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

夏に食べたい! 手延そうめん「揖保乃糸」 フィールドパビリオンで製造工程・小分け作業を体験

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 大阪・関西万博の開催に合わせて兵庫県で展開される「ひょうごフィールドパビリオン」。その一環として、「手延そうめん」の魅力を体験できるプログラムが行われます。

 日本三大そうめんのひとつとしても知られる播州そうめん。その多くが、たつの市のある播州地方で生産されています。なかでも有名なのが、産地ブランドの「揖保乃糸(いぼのいと)」です。

暑い時期に食べたくなるそうめん(提供:兵庫県手延素麺協同組合)
暑い時期に食べたくなるそうめん(提供:兵庫県手延素麺協同組合)

◆播州そうめんの歴史

 播州でのそうめん生産の歴史は古く、今から600年以上前にさかのぼります。揖保郡太子町の斑鳩寺(いかるがでら)に残る古文書「鵤庄引付(いかるがのしょうひきつけ)」の1418年の記述には、“サウメン”の文字が見られます。

 そうめん作りが本格的になったのは、江戸時代の安永頃(1771年〜1780年)。当時は龍野藩の「許可業種」として奨励されていたそう。また、伝統の「揖保乃糸」の産地化は、龍野藩が著名な産物の保護育成を始めた文化年間頃(1804年〜1818年)からだとされています。1887年には、品質の安定を図るため兵庫県手延素麺協同組合の前身となる「播磨国揖東西両郡素麺営業組合」が設立されます。

揖保乃糸資料館「そうめんの里」では、そうめんの歴史と製造工程が学べる(提供:揖保乃糸資料館)
揖保乃糸資料館「そうめんの里」では、そうめんの歴史と製造工程が学べる(提供:揖保乃糸資料館)

 現在、兵庫県手延素麺協同組合にはそうめん製造家約410軒が加入していて、材料や資材を一括で管理。一定以上の基準を満たした麺のみが「揖保乃糸」となります。

◆播州でそうめん作りが盛んになったワケ

 播州地方でそうめん作りが盛んに行われるようになった理由は、そうめん作りに適した地域だったから。原料となる揖保川の軟水、播州平野で育った小麦、赤穂の塩が手に入りやすいこと。そうめんを製造する冬の時期に雪が少なく、天日干しに適していることなどが挙げられます。ほかにも、揖保川の輸送船「高瀬舟」は流通にも大きな影響を及ぼしました。

◆「揖保乃糸」の特長

 揖保乃糸は、現在も手延べ製法にこだわっています。麺をねかし、ねじって縒り(より)をかけながらゆっくり延ばす工程を繰り返すことで、コシのあるなめらかなそうめんに仕上がるそう。機械化が進んだ現在も基本的な作り方は昔と変わらず、重要なポイントは手作業で行っています。

 揖保乃糸資料館「そうめんの里」の藤木裕子さんは、「揖保乃糸は、のどごしの良さと歯切れの良さが魅力。グルテンを最大限に活かしているので、もみ洗いしても麺が切れにくいのが特長です」と教えてくれました。

◆フィールドパビリオンでは「小分け作業」を体験

 プログラムでは、揖保乃糸資料館「そうめんの里」で歴史や作り方を学んだあと、そうめん作りの工程「小分け作業」を体験できます。小分け作業とは、棒(管)に掛けてある約50センチの生のそうめんを、長い2本の箸を使って約160センチまで伸ばすというもの。職人が実演したあとに、スタッフのサポートのもとで体験するので、子どもでも参加可能だそう。

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