トーストにヨーグルトに、紅茶に。私たちにとって身近な存在である「はちみつ」。琥珀色に輝くトロリとした液体は、食卓に欠かせない甘さと風味を届けてくれます。
しかし、戸棚にしまっておいたはちみつを取り出してみたときに、「あれ? なんだか白くにごって底のほうが固まっている……」となった経験はありませんか? この白く変化した状態を見て、「もしかして腐ってしまった?」「もう食べられない?」と不安に感じ、捨てるべきか迷った人も多いのではないでしょうか。
そんなはちみつについて、組合員からのさまざまな問い合わせに対応している「コープこうべ商品検査センター」の担当者に詳しく話を聞きました。

――今回は、はちみつにまつわるお話です。
【担当者】 多くの方が経験したことがあるかと思いますが、「はちみつが白くにごって固まってしまっている」という内容です。
――確かに、私も経験があります。
【担当者】 ですよね。私ももちろん経験しています。
――白くにごったはちみつは、口にして大丈夫なのでしょうか?
【担当者】 この白くにごって固まる現象は“結晶化”といわれるもので、結晶化したはちみつそのものを食べても何も問題ありません。
はちみつは、少ない水分のなかに主成分の糖が無理に溶け込んだ状態なため、保管条件によっては、はちみつに含まれる気泡や花粉などを核として結晶化することがあります。
はちみつの中にある気泡に振動が伝わることで結晶化のきっかけになるともいわれているため、はちみつを出すために勢いよく振ったり、振動が伝わりやすい場所に保管したりするなどは避けたほうが良いです。
――なるほど。白いにごりはカビではなく、はちみつに含まれる糖なのですね。
【担当者】 はい。原則、はちみつ自体にカビが生えるということはありません。はちみつは、約80パーセントの糖分と約20パーセントの水分でできています。カビが繁殖するには水分が必要なのですが、はちみつの場合、こ水分はたった20パーセントほどしかなく、その水分も糖とくっついているために利用ができないため、カビが増殖できないのです。
ただ、汚れたスプーンを使用したり、不純物が含まれたり、水分が混入したりすればカビが生えることがありますので、開封後の保管などにはご注意ください。





