居留地に住む外国人向けのベーカリーショップから始まったとされる、神戸市のパン文化。今日では神戸にとって重要な観光資源のひとつとなっている。そんな「パンのまち神戸」を盛り上げるイベント「神戸パン祭り」が今年も10月5日に開催される。第5回となる今回、会場では学生が考案した「ラグビーボール形 神戸メロンパン」が初めて一般販売される。
“神戸で「メロンパン」と言えば、ラグビーボールのような楕円を想像する”……これは「神戸あるある」としてよく知られる話かもしれない。神戸で1952年に誕生したこの神戸メロンパンは、当時洋食店などで多く使われていたオムライスの型を使って焼いたもので、メロンの一種である「マクワウリ」に形が似ていたことから、メロンパンと呼ばれるようになったという。
神戸メロンパンの焼き型となる「オムライス型」を紹介するコープこうべ担当者(写真:ラジオ関西)
しかし、生活協同組合コープこうべが2017年に行った調査によると、メロンパンと聞いてラグビーボール形を想像する人が、2割を下回る結果になっており、若い世代を中心に「神戸メロンパン」の認知度が低下している。こうした現状を受け、コープこうべでは「神戸メロンパンご当地フード化計画(KMG)」がスタート。兵庫県パン協同組合や地元ベーカリー、学生たちと共に、神戸メロンパンの新商品開発に取り組んでいる。
今回発売されるのは、そのKMGが今年7月に開催した「第2回オリジナル神戸メロンパンコンテスト」で入賞した8作品。それぞれ地元のパン職人たちとコラボレーションし、新商品として展開する。灘の酒がアクセントになった「灘酒メロンパン」や、ラグビーボールをイメージした「ラグビーボールゴマの助」など、学生たちの自由な発想と職人の技術が、神戸メロンパンの新しい可能性を見出している。
「第5回神戸パン祭り」で販売される神戸メロンパン(上段左から)「みんなが笑顔になれる♡まほうのパン♡」、「ぱくベジカレーメロンパン」、「トライメロンパン」、「ティラミス風メロンパン」(下段左から)「ラグビーボールゴマの助」、「ピーチティーメロンパン」、「マウンテンメロンパン~神戸の風を感じて~」、「灘酒メロンパン」(写真:ラジオ関西)
ヒシヤ食品とコラボした神戸女子大学考案の「ぱくベジカレーメロンパン」は、ミックスベジタブル入り野菜ジュースを使ったオレンジ色の生地に、鶏ひき肉のドライカレーを包んだ惣菜パン。神戸でも開催されるラグビーワールドカップ2019を意識し、健康な身体づくりやバランスの良く栄養を摂取できることなどがポイントとなっている。製作した神戸女子大学の堀端知里さんは「しつこくなく飽きがこない味に仕上がったので、ぜひ一度食べてみてほしい」と話している。
【第5回神戸パン祭り】
日時:2019(令和元)年10月5日(土)午前11時~午後4時 ※パンがなくなり次第終了
場所:神戸朝日ビルディング 1階ピロティ広場(神戸市中央区浪花町59番地)
内容:オリジナル「ラグビーボール形神戸メロンパン」の販売/ガラガラ抽選会/パンの名店12社によるご当地パン販売/「五国のパン」の販売など
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